くらし CDO補佐官 鈴木邦和(くにかず)のDXのすゝめ(第32回)

近年、民間の病院を中心にDXが進んでおり、診療や運営のあり方が大きく変わっています。
例えば、これまでの病院では、予約した時間に行っても診察まで2~3時間待たされるケースも多かったですが、スマホと連動した待ち時間の可視化システムによって、診察直前まで自宅で待機できる病院も増えてきました。
また、ある総合病院では、患者の症状や検査結果をAIが分析し、医師に診断の参考情報を提示するシステムを導入しました。これにより診断スピードが向上し、見落としのリスクも減少しています。さらに、入院患者のベッドにはセンサーが設置され、転倒の危険や急な体調変化を察知してスタッフに通知します。
こうしたDXは医療従事者の負担を軽減し、患者一人一人に、よりきめ細かなケアを提供できる環境を生み出しています。病院のDXは、単なる機械化ではなく、人と技術が協力して「安全で質の高い医療」を実現する取り組みなのです。