くらし どてかぼちゃカーニバル

■全国初開催から40回目
9月7日(日)に見奈良のレスパスシティ駐車場で開催。どてかぼちゃ162個が出品され、2,837人が来場しました。その様子と裏側に迫ります。

●始まりは40年前
昭和60年に、地元の農業後継者協議会のメンバーがアメリカへ農業研修に行った際、どてかぼちゃの種を日本へ持ち帰ったことをきっかけとして、全国初の巨大かぼちゃコンテストを旧重信町で開催。どてかぼちゃの重さ、色つや、形などを競ったり、かぼちゃを積み上げた個数を競う「かぼちゃタワー」、重さを当てる「重量当て」などさまざまな催しを行っている。

●若手農業者が指揮
どてかぼちゃカーニバルを主催するのは、市青年農業者協議会。市内で農業を営む20代から50代までの若手農家29人で構成され、日頃から農業経営について勉強会や交流会を行うなど、互いに切磋琢磨している。この協議会で会長を務めるのが、加藤秀明(ひであき)さんだ。北野田で米や里芋などを育てる「あめんぼ畑」を営んでおり、2年前に会長に就任した。

●農業者だけでなく地域みんなで楽しめるように
記念すべき40回目を迎えたどてかぼちゃカーニバル。市青年農業者協議会は、春から準備に勤しんできた。
加藤さんは、「もともとどてかぼちゃカーニバルは、稲刈り前の休みを利用して農業者たちで何か楽しいことをやろう、という趣旨で行ってきました。そのため、まずは自分たちが楽しむことが重要だと思いますが、今では、たくさんの人が来てくれるイベントとなったので、皆さんと一緒に楽しめる祭りにしたいという思いが一番大きいです」とどてかぼちゃカーニバルに向けて意気込んだ。

●育てる喜びが広がる
どてかぼちゃの栽培期間は5月〜8月頃。厳しい暑さであったが、今年は昨年より多くの出品があった。
今回、市青年農業者協議会会長が選ぶ最も優れたどてかぼちゃとして「大会長賞」を受賞したのは、松山市在住の髙橋さん。昨年初めて出品した際には、最も重いものに贈られる「東温市長賞」を受賞した。また、今年の「東温市長賞」は、4年前から出品している松山市在住の橋本さんが受賞。今回63・1kgで2度目の受賞だという。さらに、幼稚園、保育所、小学校による出品のうち最も重いものに贈られる「ちびっこ重量賞」を受賞したのは、重信幼稚園。中心となって育てた對馬(つしま)先生は、「肥料食いなので、最初に肥料をたくさん入れたらすぐ大きくなりました。子どもたちはどてかぼちゃが大きくなっていく様子を毎日見ていたので、好奇心が育まれたと思います」と笑顔を見せた。

●どてかぼちゃカーニバルを支えたたくさんの人たち
多くの人の支えにより開催された今回のどてかぼちゃカーニバル。27の企業、学校、団体などが協賛。中でも、牛渕に店舗を構えるハタダできたてお菓子館は、盛況であった餅まきとお菓子まきを支えた。
どてかぼちゃカーニバルでお菓子まきが行われるようになったのは3年前。当時、会場には想定以上の人が訪れ、用意していたお菓子が不足していたところ、その様子を見ていた同館館長の丹さんが、急遽ハタダのお菓子を持ってきてくださったという。それ以来、毎年同館のお菓子まきを行うようになり、加藤さんは「とてもありがたいです」と感謝を語った。
さらに、どてかぼちゃカーニバルオリジナルTシャツを制作したのは、東温高校美術部。Tシャツはどてかぼちゃの出品者に配布されたほか、会場でも販売され、購入した人は「毎年楽しみにしているんです」と笑顔を見せた。また、当日は、松山市の青年農業者などもスタッフとして運営に協力。多くの人の支えにより、40回目の歴史は紡がれた。

●未来へ繋いでいく
秋の一大イベントとして多くの人が訪れるどてかぼちゃカーニバル。市青年農業者協議会は、高齢化や会員数の減少などの課題を抱えるほか、農業の多様化により、開催時期に時間が取れない農業者も増えてきているという。加藤さんは「できる限り協議会主体でイベントをやっていきたい思いはありますが、なかなか難しい状況なので、続けていくためには工夫が必要と思っています。地域の皆さんと力を合わせて、これからもこのイベントを盛り上げていきたいです」と前向きな思いを語る。
変化していく環境の中で続けてきた40回。これからもまちの笑顔を未来へ繋いでいくための挑戦は続く。

■育ててみませんか
来年5月上旬頃に、どてかぼちゃの苗を無料で配布する予定です。配布場所等は、広報とうおんや市HPでお知らせします。来年度もたくさんの出品をお待ちしています。

問合せ:市青年農業者協議会事務局
【電話】964-4409