くらし 人権コラム*幸せへの道

「寝た子を起こすな」

同和問題(部落差別)を語ろうとするとき、「もう差別なんてないのだから、わざわざ触れるな」「差別の話をしたら、かえって意識して差別するようになる」と意見が出ることがあります。「寝た子を起こすな」とは、「同和問題を知らない子に、そのことを知らせるな・教えるな」という意味で使われます。この考え方は、今なお根強く私たちの周りに存在しています。

《「寝た子を起こすな」が、なぜ問題なのか》
(1)差別を正す機会を失う
差別に気付かないままでいさせると、差別を放置し、是正の機会を失ってしまいます。
(2)無知が差別を生む
知らないからこそ偏見を持ち、無意識に差別的な言動をとってしまうことがあります。
(3)「静かな差別」の温床になる
表立った差別は減ったように見えても、就職差別や結婚差別、インターネット上の差別は今も存在します。それに気付かないふりをすることは、実質的な差別の容認です。

「寝た子を起こすな」の考え方は、無関心という名の差別の温床となり得ます。誤りであることを正しく理解し、差別の根っこにあるものを見つけ出し、みんなの力で断ち切る絶え間ない努力が不可欠です。人権・同和教育は、差別があることを前提として、それをなくすために学ぶ教育です。だからこそ教育によって意識を「起こす」ことが必要です。一人一人が正しい知識を持ち、間違った考えは修正し、差別に対する揺るぎない判断力・行動力を身に付けていきましょう。

問合せ:内子町教育委員会自治・学習課 生涯学習係
【電話】0893-44-2114