くらし FROM ME TO YOU みんなでつないでリレーエッセイ

「認知症の人との関わりの中で」
黒田慧史(さとし)さん(37)〔富長〕

皆さんは「認知症」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか。「物忘れがひどくなる」「何もできなくなる」「危ない」といった、不安な気持ちになる人もいるかもしれません。
私は介護の仕事を始めて約20年になります。多くの人をケアする中で、「認知症になっても、何もできなくなるわけではない」と強く感じています。症状にもよりますが、ほんの少しの手助けがあれば、できることはたくさんあります。私たちの仕事は、認知症の人が喜びや楽しみを感じながら毎日を過ごせるよう、そっと手を差し伸べサポートすることです。
私の目標は認知症の人が自宅や住み慣れた地域で、できるだけ長く暮らせるように支えることです。症状が進行すると自宅での生活が難しくなったり、家族の負担が大きくなったりする場合もあります。しかし、ちょっとした知識や支援、気軽に相談できる場所があれば、その負担を軽くできると信じています。
そこで、この8月に旧御祓小学校「みそぎの里」で「認知症カフェ」を立ち上げることになりました。認知症の人やその家族、地域住民が気軽に集える場所です。おしゃべりをしたり、情報交換をしたり、専門職への相談もできたりします。私が勤務する「グループホームあまご」で運営していきます。
これからも認知症の人や、支える皆さんの役に立てるよう、精いっぱい取り組んでいきます。

次は、藤澤智さん〔成内〕にお願いします。