- 発行日 :
- 自治体名 : 高知県香美市
- 広報紙名 : 広報香美 2025年7月号
■朴ノ木公園前の交通安全対策
問:やなせたかし朴ノ木公園前の臨時駐車場周辺の交通安全対策について、高照寺へ向かう県道を横断する場所に、横断歩道を設置してほしいです。また、ドライバーに対しても注意喚起を促す対策を要望します。
答:ドライバーに対して、注意喚起を促す看板を2カ所に設置予定です。注意喚起の看板を無視して臨時駐車場へ東進してくると、長い直線の後、緩やかなカーブとなっており、スピードが出た状態で横断歩道に達し、さらに危険な状況となることも予想されますので、高知県警への横断歩道設置の要望は行わず、看板設置のみで対策とします。
■アンパンマン図書館 今後の方針
問:美良布商店街のアンパンマン図書館について、(1)今後の方針や対策を問います。(2)コンクリート建築としてはかなり古い建物で、「土佐の名建築」にも取り上げられているため、形を残す手立てはないでしょうか。
答:
(1)今年3月に調査結果が提出されましたが、「コンクリートにも問題があることから、耐震補強適用外建物であり、すみやかに撤去・解体を行うことが必要である」とのことでした。今後の方針については、現在、検討中ですが、建造物からの崩落や落下により、近隣住民や市道通行者の皆さんへの安全の確保を第一と考えたうえで、市の財政事情を踏まえながら、方向性を出していきたいと考えております。
(2)現在、保存に関して、何らかの技術的な方法がないか、高知工科大学システム工学群の先生に相談しているところです。ただし、仮に何らかの補強が可能である場合でも、高度な技術による補強は、通常の耐震補強の費用より格段の費用を要するものであることから、実施にあたっては、市の財政事情や国・県の補助金等の有無を踏まえて、判断を行うこととなります。
■風力発電事業に対する市の対応
問:(株)GFによる風力発電が計画されており、地域の方々から心配の声を聞きます。風力発電事業計画に対する行政のスタンスと見守りバックアップ、何かあった場合に責任をどう取るのか問います。
答:エネルギー政策は、ご指摘のとおり国の重要な柱に位置付けられており、先日改定されたエネルギー基本計画では、将来的に太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大の電源とする方針としていますが、積極的に再エネ導入を推進するにも、地域の特性に応じたものでなくてはなりません。また、環境影響評価法では、一定の規模以上の事業について、事業者自らが、その事業が環境にどのような影響を及ぼすのかを調査・予測・評価し、その結果を公表して広く意見を聴きながら、環境の保全について適正な配慮を行う「環境影響評価(環境アセスメント)」を行うこととしています。
現在、香美市・大豊町で計画が検討されている風力発電事業も、この環境影響評価を行う必要があります。環境影響評価の手続の流れは4段階あり、現在は第1段階である「計画段階環境配慮書」の手続が終了したところです。この「計画段階環境配慮書」とは、事業者自らが、事業を行う場所や規模などの検討段階で、「環境保全のためにどのような項目に配慮するのか」を示すものです。第2段階は「環境影響評価方法書」で、事業者が第1段階の配慮書で示した項目について、「どのような方法で調査・予測・評価をするのか」を示すものです。第3段階は「環境影響評価準備書」で、事業者は、第2段階で選定した項目や方法に基づき、調査・予測・評価といった、環境影響評価を実施します。最後の第4段階は「環境影響評価書」で、事業者は、第3段階で行った調査・予測・評価に基づき、環境への影響を評価します。事業者は、これら4段階の手続をすべて完了し、初めて事業着手ができます。また、各段階で、経済産業大臣、環境大臣と、関係自治体である高知県知事、香美市長、大豊町長が、事業者の計画に対し意見を述べます。現在、香美市は、事業者が作成した配慮書に対し、水質および水量などに及ぼす影響、地形や地盤に及ぼす影響や土砂災害の危険性、物部川流域の生態系に及ぼす影響、事業の安定性、事業者責任に関する事項、また、地域へは十分な説明を行ったうえで理解を得ることなど、大きく7項目について、高知県に意見書を提出しています。また、第2段階の方法書の作成については、高知県より、通常1年程度を要するものと聞いておりますが、配慮書の段階で、全国から206件にも及ぶ意見が提出されていることから、その作成には時間を要するようです。市が提出した意見書の事項については、事業者が示すその対応、対策に有効性があるのかなど、数年をかけて、方法書以降の手続の中で対応していくこととなります。
また、4段階目の環境影響評価書の手続が完了したとしても、経済産業大臣の許可が下りない限り、風車設置工事に着手することはできません。市としても、法令に基づく説明会の実施の際などには、市の広報誌などを通じて広く周知するとともに、事業者に対し、地域の皆さんへの説明を具体的かつ丁寧に行い、質問などには真摯に対応するとともに、計画に対する理解を得たうえで事業を検討していくことを求めていきます。
・依光市長
現時点で依光晃一郎個人としては、反対という意見を持っています。しかしながら、行政として現段階で反対とは明言できないため、今後の手続や提出物などを精査し対応していきます。
■災害時の迂回路の確保(孤立対策)
問:災害時の迂回路を確保できるよう、対策をお願いします。(別府への林道が災害で寸断され、土砂崩れ等で孤立してしまうため)
答:物部町の西熊から別府へ抜ける林道については、現在、災害復旧工事を進めており、5月末を目途に通行が可能となる予定です。(現在、予定どおり通行可能となっています)また、長らく休止していましたが、新規の迂回路となり得る林道立花南池線の開設工事(県営工事)については、本年度より再着手しています。交付金等の状況により進捗が変わりますが、工事完了予定時期は、令和10年代前半とのことです。