くらし ちかちゃんの営農指導員だより

土佐町 農畜林振興課
営農指導員 千頭健司

『畑の土づくりと肥料やりの目安について』

作物は、根から肥料を葉から炭酸ガスを吸収し、根を張らし体を作って実を大きくします。根から吸収する主な成分には窒素・リン酸・カリがあり、肥料の三大要素といわれます。石灰と苦土を加えて五大要素となります。
その他、野菜が立派に育つためには、鉄・マンガン・ホウ素などの成分が必要です。

◆肥料の働きについて

(1)窒素
野菜の茎や葉をつくり、生育を進める役割をもっています。特に葉菜類や根菜類には必要です。

(2)リン酸
成長の盛んな部分や花・蕾・種に影響します。特に、冬越しする玉ねぎでは、根の張りを浴したり、寒さに強くしたりします。

(3)カリ
葉や茎を強くする効果があります。果実のつきや育ちも良くし、窒素が効きすぎた場合、それを抑える効果もあります。

(4)石灰
野菜の育ちやすい土壌にします。これは土の酸性を中和して肥料の吸収をよくして、根の張りも良くします。

(5)苦土
葉緑素を作り、不足すると葉の脈の間が黄色くなります。

◆作付けの前の畑の準備について
▽図-上(本紙参照)
・トマトやナス、ピ-マンなどナス科のものは、根が深く、縦型に伸びる性質があるので、畝の中央部に深く溝を掘って、主要な根が深く張るように導きます。こうすれば、土壌の湿度にもよく耐え創成が長く保たれ、果実の発育障害を少なくすることができます。

▽図-下(本紙参照)
・キュウリ、メロン、シロウリ等ウリ科は根茎が浅く幅広く、横型に形成されるので、元肥は浅く幅広く与えます。畝全面に耕し込んでください。
・葉茎菜類、根菜類の場合は草姿が小さく、比較的密植される物が多いので、元肥は、畑全体に与え耕し込んでください。

◆一口メモ(甘いトマトの作り方について)
(1)水はけのよい土壌にする。
(2)根域を制限する。(遮根透水シートで根域の制限)
(3)トマトの果実肥大期に潅水量を減らす。
※日中にトマトの葉に萎れができる程度に水分量を調整する。
(4)元肥や追肥については有機質肥料やリン酸分を含む肥料を使用しましょう。
※アミノ酸が多く含まれた有機質肥料を使用します。(魚粉等)