文化 文化薫道(ぶんかくんどう) 〜文化の風が吹くまち ちくしの〜

■其の百十六
塔原(とうのはる)の古代瓦(こだいがわら)
~飛鳥(あすか)とのつながり~
県道31号線の塔原一号交差点付近で行われた発掘調査で、古代の瓦(軒丸瓦)が出土しました。
古代の瓦は、役所や宮殿、寺院などに使用されていました。
この瓦の出土地周辺には、塔の心礎「礎石」である「国史跡塔原塔跡(とうのはるとうあと)」が残されており、この辺りに古代寺院があったと考えられています。
瓦の縁には円が三重に巡り、中心には蓮の花をあしらった文様である「蓮華文(れんげもん)」がデザインされています。蓮の花のモチーフは、古代の東アジアで流行していました。
この特徴的な文様は、飛鳥時代に蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ)によって創建された奈良県桜井市の「特別史跡山田寺」の瓦とよく似ています。この瓦も、縁に三重の円が巡った姿をしています。蘇我氏が建てた他の寺院でも、似た文様の瓦が見つかっているため、塔原の瓦も蘇我氏が関わって作られたのではないかと考えられています。
当時の日本の中心地、飛鳥と遠く離れたこの場所とのつながりが、瓦のデザインから分かるのです。
この瓦は、筑紫野市歴史博物館で展示していますので、ぜひご覧ください。

問合せ:文化財課