くらし 戦争とは 平和とは
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県古賀市
- 広報紙名 : 広報こが 2025年8月号
2025年、被爆・戦後から80年の節目を迎え、改めて「戦争とは何か」「平和とは何か」を見つめ直す時にきています。
古賀市では8月を「戦争と平和を考える月間」と位置づけ、さまざまな催しや展示などを通して、戦争の記憶と平和の大切さを伝える取り組みを行います。
世代を超えて平和について考えるきっかけになるよう、多くの皆さんの参加をお待ちしています。
■平和とは何か
~立花昌子(まさこ)さんのはなし~
原爆が投下された8月9日のことは、2歳だった立花さんの記憶にはありません。その時、お母さんにおんぶされて長崎市西坂町の坂を上がっていましたが、お母さんの背に守られて立花さんは助かりました。お母さんはその後、8月30日に亡くなりましたが、原爆のこと、お母さんのことが家で語られることはありませんでした。
中学、高校へと進む中、身近にも悪性貧血や急性白血病になる人が多く、放射線が人間を壊す恐ろしさをひしひしと感じていました。長崎の浜町を歩くと、ケロイドのある人や障がいのある人をよく見かけましたが、だれ一人じろじろと見るなど差別的な行動をする人はいませんでしたし、自然と気を配る風土がありました。
〝原爆のことは覚えていないけれど、私の育った大好きな長崎のことは覚えているから、私はそのことを伝えたい〟と思うようになったそうです。
そして今、立花さんは長崎での生活や障がいのある被爆者の方たちと接した経験をもとに、主に小中学校で語り部として活動しています。戦争の恐ろしさ、未来にわたる放射線の影響、平和とは何かなどを伝え、一緒に考えるために。
令和6年、立花さんの所属する日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞しました。協会は、地球上の誰もが自分たちと同じ苦しみを味わうことがないよう、一貫して核兵器の使用禁止・廃絶を訴えています。受賞の時は、世界にその思いが通じたのだと涙が止まらなかったそうです。
平和とは何か。遠くにあるものではなく、もっとずっと身近にあるもの、と立花さんは言います。身近な人たちとの友好や繋がりこそが平和の原点であり、皆それを望んでいるのだから、と。
「これからの世の中はどうなるの?」子どもたちのそんな疑問に、立花さんはこう答えます。
「私たちの話を聞いて、今あなたが思ったことを行動に移してみて。答えはあなたの中にあるのよ」
問合せ:福祉課(サンコスモ古賀内)
【電話】092・692・1871
■企画展 戦後80年特集 戦争とくらし「青柳村役場兵事関係資料」を中心に
入場無料、申込不要
一人ひとりがどのように戦争に巻き込まれていったのか、貴重な「青柳村役場兵事関係資料」や当時の資料を展示して庶民目線で紹介します。
期間:7月19日(土)~9月7日(日) 10時~18時
※月曜休館(祝日・振替休日の場合は翌平日)
場所:リーパス 歴史資料館ギャラリー(図書館2階)
◇第1回自然史・歴史講座(講演会)
戦争を記憶する ~福岡県の戦争遺跡 その保存と活用~
日時:8月10日(日) 14時~16時
場所:リーパス 多目的ホール
講師:森井啓次(けいじ)さん(九州歴史資料館 企画主幹)
定員:100人(先着順)
◇朗読 つばめの記(き) ~戦時下、父子の往復書簡~
日時:8月23日(土) 14時~15時
場所:リーパス 中会議室(図書館2階)
定員:60人(先着順)
問合せ:歴史資料館
【電話】092・944・6214
※7月15日(火)~18日(金)、9月9日(火)・10日(水)臨時休館(企画展準備・撤収作業のため)
■「原爆と人間展」パネル展示
入場無料、申込不要
期間:8月1日(金)~17日(日) 10時~18時
場所:リーパス 中会議室(図書館2階)
◇リーパスカレッジ スペシャル講座
平和は身近なところにある -被爆者の話-
日時:8月9日(土) 9時30分~11時
場所:リーパス 中会議室(図書館2階)
講師:立花 昌子さん(日本原水爆被害者団体協議会 会員)
定員:40人(要申込・当日参加もできる限り対応します)
申込方法
・リーパス窓口
・【電話】092・944・1931
・市公式LINE(QRコード)
※QRコードは本紙をご覧ください
戦争体験者から直接話を伺う機会が減っている今、被爆者である古賀市在住の講師が、自身の経験、見たこと、聞いたこと、感じたことなどを、「原爆と人間展」パネルを前に解説します。この貴重な話を通して、平和について大人も子どもも一緒に考えてみませんか。