- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県朝倉市
- 広報紙名 : 広報あさくら 第413号(令和7年7月号)
福岡県は、同和問題の早期解決をめざし、昭和56年度に毎年7月を「同和問題啓発強調月間」と定め、各種啓発活動を実施し、差別をなくす取り組みを展開しています。市でも同和問題をはじめ、あらゆる差別の解消を推進するため、講演会や人権パネル展など、さまざまな取り組みを行います。
■人権の花運動
「人権の花“ひまわり”」の栽培を通じ、協力することの大切さや生命の尊さを学ぶことを目的として、毎年朝倉地区の小学校で実施しています。
採取したひまわりの種と一緒に、ひまわりを育てた時の気持ちや人権の尊さについてのメッセージを袋に入れ、エコ風船につけて飛ばす取り組みも行っています。
昨年度、飛ばした風船が愛媛県のみかん畑に届いたとメッセージをいただきました。後日、小学校宛に大きな箱が届き、たくさんのみかんが入っていたそうです。
■部落差別(同和問題)とは
日本社会の歴史的過程で形づくられた身分差別により、日本国民の一部の人々が長い間、経済的、社会的、文化的に低位の状態を強いられ、今なお日常生活でさまざまな差別を受けるなど、わが国固有の人権問題です。
部落差別については、正しい理解が進む一方で、偏見や差別意識は根深く、現在も残る重大な人権課題の一つです。
■今なお残る部落差別
(1)結婚・就職等における差別
同和地区出身などを理由に結婚に反対されたり、就職などで不利な取扱いを受けたりするなどの事案が発生しています。
(2)インターネット上での差別書き込み等
近年では、インターネット上で、不当な差別的取扱いを助長・誘発する目的で特定の地域を同和地区であると指摘するなどの事案も発生しており、大きな問題となっています。
インターネット上の情報は、一度拡散してしまうと完全に削除することが難しいことも、大きな問題となる要因の一つです。
(3)差別につながる身元調査等
出身地を調べたり、特定の地域が同和地区かどうか調査したりすることなどの事案が発生しています。こうした調査は、不当な差別的取扱いにつながりかねないものです。
■「しない!させない!許さない!」差別につながる身元調査
本人の能力や適性に関係のないところで、人を判断することは許されません。市では、同和問題啓発強調月間中、全職員が「身元調査お断わりワッペン」を着用し、不当な差別につながる身元調査を許さない意思を表し、啓発に努めています。
■インターネットの差別書き込みをモニタリング(監視)
市では、インターネットによる部落差別などの悪質な書き込みの早期発見や拡散防止のため、週に1回職員によるモニタリングを実施しています。差別情報や差別を助長する書き込みを発見した際は、法務局、福岡県などの関係機関と連携し、サイトの管理運営者に、削除要請などを行います。
■差別や偏見のない明るい社会をめざすために!
平成29年7月九州北部豪雨の際、ボランティア希望者から「同和地区を教えてほしい」という差別的な問い合わせがありました。
こうした背景から、市では、今なお部落差別が残り続けているという事実を深く受け止め、令和元年12月20日に「朝倉市部落差別をはじめあらゆる差別の解消を推進し人権を擁護する条例」を施行しました。
第3条では「市民の責務」として、「地域社会の一員として、家庭、学校、地域、職場等社会のあらゆる分野において、不当な差別の解消に努めるものとする」と定めています。
これにより、まず大切なことは、部落差別(同和問題)など人権課題を正しく理解することです。自分から、そして周囲の人へ…。差別や偏見をなくしていくことを常に意識し、一人ひとりの人権が尊重される社会をめざして、「人権の共存」という考え方を次世代につなげていきましょう。
■人権問題の相談窓口
・みんなの人権110番(【電話】0570-003-110)
■インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口
・「人権相談」
・「違法・有害情報相談センター」
・「誹謗中傷ホットライン」
[(一社)セーファーインターネット協会]
※各機関の詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。
問合せ:市人権・同和対策課
【電話】52-1174【FAX】52-1162【E-mail】[email protected]