くらし 復興への歩み、防災・減災への取り組み

平成29年7月九州北部豪雨から8年―。
令和5年7月豪雨から2年―。
市では、7月5日を「市民防災の日」と定めています。当日は10時に防災行政無線で全市一斉に黙とうを行います。
私たち一人ひとりが、防災について考える機会にしましょう。

■朝倉にとって大きな節目
◆災害事業センター閉所式
6月7日、朝倉総合庁舎で、朝倉県土整備事務所・朝倉市・東峰村による「災害事業センター閉所式及び感謝のつどい」が行われました。
災害事業センターは、平成29年7月九州北部豪雨により被災した県管理の道路や河川、砂防施設などの復旧のために同年9月に設置。約8年間の災害復旧・改良復旧が概(おおむ)ね完了したことに伴い、令和7年3月31日をもって閉所しました。
閉所式には、林市長をはじめ東峰村長など関係者ら約70人が出席。式典で林市長は「平成29年災害に伴う復旧工事の成果は、令和5年7月の豪雨で証明されました。改良復旧された河川は氾濫することなく、人災ゼロは市にとって何よりの安堵(あんど)でした」と感謝の言葉を述べ、記念品が贈呈されました。

■災害時の備えできていますか?
◆災害時のコミュニティマッチング
5月10日、三奈木コミュニティセンターで、朝倉市社会福祉協議会による「災害時における地域力向上研修」が行われ、三奈木地区の区会長をはじめ地域住民約50人が参加しました。
研修では、李(り)仁鉄(じんてつ)さん(にいがた災害ボランティアネットワーク理事長)が登壇し、災害ボランティア活動におけるコミュニティマッチングの重要性について講義しました。
その後の演習では、実際に地区内で災害が発生したことを想定し、被害状況の把握や支援拠点の確保、災害ボランティアの送り出しなどについてグループに分かれ話し合いました。

◆コミュニティマッチングとは?
「コミュニティマッチング」では、地域の代表者が集落内の被害状況や被災者のニーズなどを把握し、災害ボランティアの要請を取りまとめ、災害ボランティアセンターに報告します。地域のことをよく知る代表者が間に入ることで、現地の状況にあわせたボランティアの配置につながり、被災者も安心してボランティアを受け入れることができます。
地域住民と社協・行政などが連携して、片付けの対応だけでなく、個別の困りごとの発見や復興のまちづくりまでを見通した個別支援と地域支援を一体的に進めていくことにつながります。

◆講師のコメント
にいがた災害ボランティア
ネットワーク理事長李仁鉄さん
○災害に“も”強いまちづくりへ
災害対応には特別な知識や経験、テクニックはもちろんですが、その前に地域のことをしっかり知っていることが重要です。
研修のような取り組みを進め地域力が向上すれば、単に「災害に強いまち」だけではなく、普段も暮らしやすいまちが「災害に“も”強いまち」になっていくと感じました。

問合せ:市社協
【電話】22-7834

■原鶴調整池に排水ポンプを導入
筑後川と原鶴分水路に囲まれた原鶴地区。平成24年以降、度々、浸水被害が発生していました。新たに導入された排水ポンプの排水能力は毎分90トンで、既存の排水ポンプ(毎分8トン)と合わせて、合計毎分98トン(家庭用の浴槽約450杯分に相当)の雨水を排水。原鶴地区内の内水被害の軽減が図られます。
6月9日には、排水ポンプ導入の式典が行われました。式典で林市長は「排水ポンプ導入は原鶴地区の安心・安全につながる。原鶴温泉の今後のさらなる振興にもつなげたい」とあいさつ。その後の試運転では、原鶴調整池から勢いよく排水された水量に、参加者からは驚きの声が上がりました。

問合せ:市建設課
【電話】28-7572

■防災・減災のために…
ため池の事前放流にご協力ください
◆事前放流の効果
雨が降る前に、ため池の水を放流して水位を下げることで、雨水の貯留分を確保し、河川の急激な増水を抑え、下流部の洪水被害を軽減できます。また、ため池本体の決壊を防ぎ、直下流の農地災害や家屋の浸水などの被害を軽減できます。

◆満水位から50cm下げるだけでも有効
営農に支障のない範囲で事前放流にご協力ください。

問合せ:市農林課
【電話】52-1115

■寺内ダムの治水機能が強化
令和7年4月1日から利水容量の一部(77万立方メートル、小学校のプール約1500杯分に相当)を治水容量に振替えました。これまで以上にダムによる洪水調節効果が期待されます。
河川整備計画に基づく再生事業では、令和11年度末までに180万立方メートルの治水容量の増加を予定しています。

問合せ:(独)水資源機構 筑後川上流総合管理所寺内ダム再生・筑後川水系ダム群連携事業推進室
【電話】52-8050