文化 芦屋釜の里開館30周年記念特別展「芦屋釜の美と鋳物師(いもじ)の技」

期間:10月15日(水)~12月7日(日)

■茶の湯釜の名品、芦屋釜
南北朝時代(1337~1392年)頃から製作が始まり、室町時代には、茶の湯釜の名品として知られるようになった芦屋釜。発掘の成果から、現在の芦屋町中ノ浜付近で製作されたことがわかっており、「金屋」の地区名にその名残を見ることができます。
芦屋釜は、室町幕府足利将軍家にも献上された記録が残っており、遠く京の地の貴人達(公家、武家、僧侶など)の間で名声を博しました。しかし、十六世紀の半ば頃、芦屋一帯を治め、芦屋鋳物師最大の庇護者であった守護大名大内氏の滅亡などの要因が重なり、芦屋釜の製作は徐々に衰退します。そして、江戸時代初期頃には、その製作は一度途絶えます。

■芦屋釜の復興を目指して
一度途絶えた芦屋釜の復興を目的として平成7年に開館した芦屋釜の里は、本年で開館30周年を迎えます。それを記念して、芦屋鋳物師が製作した芦屋釜をはじめとする名品の数々を展示します。
特に今回は、芦屋楓流水鶏図真形釜(あしやかえでりゅうすいにわとりずしんなりがま)(九州国立博物館蔵)、鰐口(わにぐち)(今八幡宮蔵(いまはちまんぐう))、そして芦屋町が所蔵する芦屋霰地真形釜(あしやあられじしんなりがま)の3点の国指定重要文化財を展示します。
芦屋の先人たちが生み出した最高峰の作品を、身近で楽しむことができる絶好の機会です。また、芦屋歴史の里では、特別展「金屋遺跡展」も同時開催しますので、この機会に芦屋釜の美とそれを生み出した鋳物師たちの技をぜひ堪能してください。

■主な展示作品
※詳しくは本紙をご確認ください。

◇重要文化財 鰐口 今八幡宮蔵(山口市歴史民俗資料館寄託)
(守護大名大内義隆(おおうちよしたか)が芦屋金屋の大工(棟梁)大江宣秀(おおえのぶひで)に造らせた大きな鰐口)

◇重要文化財 芦屋霰地真形釜 芦屋釜の里蔵
(600年ぶりに芦屋に戻った、美しい文様と形をもつ芦屋釜)

■期間中の主なイベント
◇ギャラリートーク(呈茶つき)
特別展に展示された作品の見どころを分かりやすく解説します。
日時:11月1日(土)午前10時~11時30分
対象:中学生以上
参加費:
18歳以上…700円
中・高校生…400円(入館料を含む)
定員:40人(事前申し込み先着順)
申し込み:10月1日(水)~31日金 午前9時30分~午後5時に、芦屋釜の里(【電話】223-5881)へ
※月曜日は休館です。

◇八女茶×芦屋釜~600年の歴史と伝統~
八女の抹茶や煎茶、福岡の花などを楽しむ、福岡づくしのイベントです。
日時:11月15日(土)、16日(日)午前10時~午後3時
協力:
福岡県茶業青年の会
一般社団法人お茶結びプロジェクト
※詳しくは広報あしや11月号を見てください。

■芦屋釜の里
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館・呈茶は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日にあたる場合はその翌平日)年末年始
料金:
〔入館料〕18歳以上300円、・小中高校生100円、小学校就学前無料
〔呈茶料〕18歳以上400円、高校生以下300円