くらし 特集1 火災発生! その時現場では…

火災が発生した場合、消防署員や消防団員が現場に駆け付けて消火活動を行いますが、消火活動を開始するには、消防車、装備、人、全てが円滑に機能しなければなりません。
今回は、消防団がどのように消火活動を行っているかを紹介します。

01 消防車で出動
火災現場で活躍する消防車には多くの種類がありますが、今回は消防署と消防団で使用されている「消防ポンプ自動車」と「水槽付き消防ポンプ自動車」について説明します。

■消防ポンプ自動車(通称ポンプ車)
消火栓などから水をポンプで吸い上げて圧力をかけ、遠くまで放水できる消防車です。
しかし、水を積載していないため、放水するためには、消火栓や防火水槽などの水源が必要です。

■水槽付き消防ポンプ自動車(通称タンク車)
車両に水槽を備え付けた消防車で、災害現場に到着してすぐに放水することができます。水槽を積んでいるので、ポンプ車より一回り大きくなっています。

■ポンプ車解説
▽収納ボックス
ホースが複数本しまわれている

▽吸管
消火栓などにつなぎ、水を吸い上げるホース

▽放水口
ホースをつないで水を出すところ

02 水源を確保
水源がなければ、消火活動はできません。そのため、現場に到着すると、まず初めに消火栓などの水源を確保します。
消火栓のふたを開けて、消防車の吸管と接続するためのスタンドパイプを設置することで、水道水を消防車へ送ることができます。
「ふたの形は「丸型」が増えているよ!」
消防団30年目 有吉団員

03 消火活動
消火活動は役割分担をして複数名で行います。
団員の一人がホースと分岐管を持ち、放水ノズルを背負って火元へ向かい、ホースと放水ノズルを接続します。
そして、別の団員が消防車からその団員の近くまでホースを伸ばし、先のホースと接続します。
また、車両付近にいる団員はホースを車両につなぎ、放水に必要な水圧調整の合図を待ちます。
放水の合図が出たら、放水ノズルを持った団員が放水を開始します。
なお、消火活動は火に直接水をかけて行いますが、周りに燃え広がらないようにするため、周辺の建物や木々にも水をかけながら行うことも重要なのです。

■連携が大切
水源と車両をつなぐ吸管は長く伸ばせないので、水源の近くから車両を動かすことはできません。
そのため、火災現場までホースを何本もつなげて伸ばしていきます。
現場から水源が離れているほどホースも増え、必要な団員も増えていきますが、ホースの接続が上手くいっていないと、消火活動ができないばかりか、ホースが暴れて危険な状況になってしまうことも。
そのため、何か動作する時には、必ず声出し確認を行い、連携を取りながら消火活動を行っています。

■消火活動ではこんな道具を使っているよ
▽放水ノズル
消火のために放水する時は、「放水ノズル」をホースの先に接続します。

▽分岐管
消防車に直接つなぐことができるホースの本数は限られているため、「分岐管」を使用して二股にホースを伸ばすこともあります。

■20mのホースを自由自在に操る技術
消防団に入って、まず覚えることは「ホースを伸ばす」こと。いかに早く、まっすぐ伸ばせるかが重要です。
そして、次に覚えるのが「ホースの巻き方」。そのままの状態では保管できないので、きれいに巻く必要がありますが、巻き方はさまざまです。
ホースを真ん中で2つに折り、端から二重にぐるぐる巻いた「二重巻」、ホースをジグザグに折りたたんで重ねた「島田巻」などがあります。

▽余談ですが…
ホースは地味に重く(約8kg)、片付けるのにも一苦労。しかし、次の火災に備えるため、現場では1本1本巻いて持って帰り、すぐに全て洗って干しています!

■消防車1台ではできることが限られる
実は、消防車1台だけでは十分な消火活動を行えません。
複数の消防車両、積まれた道具、それを扱う人、サポートする人の全てがあるからこそ、十分な消火活動を行うことができます。
消防団員は消防署員と連携し、最前線で消火活動を行うほか、交通誘導や器具搬送の補助、周辺警戒などのサポートも行います。
現場では何が起こるか分かりません。だからこそ、消防団にはさまざまな職業の人が所属して、日々道具を整備し、すぐに現場へ駆け付ける体制が構築されています。
活動を行うには、人数が必要ですが、消防団員は年々減少しています。
18歳以上で、町内在住・在勤であれば誰でも入団できますので、車好き・機械好きの人、地域に貢献したい人、ぜひ消防団で活動しませんか?
詳しくは遠賀町ホームページで確認してください。

※詳しくは、本紙をご覧ください。

問合せ:防災安全係
【電話】093-293-1234(代表)