- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県多久市
- 広報紙名 : 市報たく 令和7年3月号
■「朝のリレー」
「カムチャッカの若者が、きりんの夢を見ているとき、メキシコの娘は、朝もやの中でバスを待っている(中略)この地球では、いつもどこかで朝がはじまっている。」
谷川俊太郎さんの「朝のリレー」の一文です。この詩を読むと、世界のどこかで、朝をむかえる人たちの風景が目に浮かびます。そして、それぞれの日常の生活を感じます。私たちの周りにはたくさんの物語があります。その中で、多くの人との出会いがあります。ともに学ぶ関係や一緒に目標を追う関係、そして、一生の友人になる関係など、出会いによってはじまります。
春は出会いと別れの季節であり、新たな物語のスタートを迎える人たちがいます。特にこれまでと違った環境に身を置くことになると、さまざまな人々と出会います。異なる背景や価値観、ライフスタイルを持っているため、初対面の印象だけで、相手を理解するのは難しいですが、自分から一歩踏み出してみることで、思いもよらない発見や友情が待っているかもしれません。そして、無理に気の合わない人と友だちになる必要はありませんが、そうした人との関係からも学ぶことはたくさんあります。あいさつを交わし、敵対的にならず、適度な距離感を大切にすることもコミュニケーションの一部です。
新たな物語は、あなたにとって素晴らしい経験になるはずです。春の訪れとともに、心豊かな出会いがあなたを待っていることを願っています。
社会教育指導員 宮下(みやした)