くらし [特集]考えよう。我が家のこれから、空き家のこれから。(2)

■再び、明かりがともった空き家。
空き家をカフェ兼住宅に。
Cafe+G 燈家(あかりや)AKARI‐ya 赤坂さん
神奈川県出身。旅行で長崎を訪れた際に見た斜面地の風景に魅了され、2019年に栃木県那須塩原市から夫婦で移住。市の空き家・空き地情報バンク制度を活用し、江の浦町で空き家をリノベーションした後、カフェを経営している。

市の空き家・空き地バンクを活用して取得した空き家をカフェ兼住宅にリノベーションしました。元々は普通の住居だった空き家をカフェとして自分たちで作り上げるのは大変でした。その分、店内にはリノベーションの跡や住居だったときの名残があり、一つ一つの物語に愛着が湧きます。店を照らしている電灯も、元々はこの空き家にあったものに手を加えて再利用しています。
今は暖かな明かりがともるこの空間も、15年くらいは空き家の状態で戸も締め切っていて真っ暗でした。その空き家に再び明かりがついて嬉しかったという元家主のかたのお話を聞き、この店を「燈家」と名付けました。
近頃は、斜面地に空き家が増え、以前よりも夜景を彩る建物の明かりが減っているという話も耳にします。斜面地に暮らすことで、長崎を訪れたかたを魅了する夜景の光の一つになれたらいいなと思います。
店には、市内のかたに加え、観光で長崎を訪れているかたも来てくれて、毎日いろいろな出会いがあります。今でも交流がある元家主のかたをはじめ、この空き家がつないでくれた多くのご縁にとても感謝しています。

■もし危険な空き家になってしまったら…
さまざまな事情で空き家を解体できずに困っているかたもいるのではないでしょうか。市では、危険な空き家を解体するための支援制度などを設けています。

◆まずは、空き家の状態をチェック!
あなたの空き家は大丈夫ですか?1つでも当てはまる空き家は、特定空家等の恐れがあります。
チェックシートは、市ウェブサイトでも公開しています。

▽床
・傾いている
・落ちている

▽柱・はり
・傾いている
・腐っている

▽外壁
・下地や建物内部が見えている

▽屋根
・穴が空いている
・瓦が落ちている

◆危険な空き家に関する制度
◇特定空家等除却費補助金
危険な空き家を解体する工事費用の一部を補助する制度。
対象:「特定空家等」に指定され、一定の老朽度を満たす空き家
補助額:工事費の5分の2 ※上限50万円

問合せ:建築指導課

◇老朽危険空き家対策事業
老朽化して危険な空き家のうち、条件を満たす空き家を市が除却し、跡地を公共的空間として整備する制度。整備後の空間は、自治会が管理・活用しています。まずはご相談を。

問合せ:建築指導課

これまでに、56件の空き家が公共的空間として生まれ変わりました!

■家のこれからについて事前に話し合って
一般社団法人 家族の信託ながさき連絡協議会 松岡さん
私は行政書士として、空き家対策にも有効な「家族の信託」という制度を市の出前講座などで説明しています。家族の信託とは、元気なうちに家の権利を家族に託すことで、家族が家の管理や処分を代理で行うことができる仕組みです。
空き家問題はまず、空き家を生まない“予防”の取り組みが大切です。これを機に、まずは一度、我が家の将来についてじっくりと考えてみてください。そして、その思いを家族に伝えるなど行動に移してほしいと思います。たかが一軒、されど一軒。あなたの行動で長崎市のまちをつくっていきましょう。私もサポートします。

問合せ:
建築指導課【電話】829-1174  
住宅政策室【電話】829-1189