くらし あの日から80年 平和のバトンを未来へ。

ー被爆80周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典ー
1945年8月9日、長崎に一発の原子爆弾が投下されてから、今年で80回目の夏を迎えました。
平和公園で執り行った被爆80周年平和祈念式典には、2,650人のかたが参列しました。屋内会場の原爆資料館ホールと出島メッセ長崎にも、1,545人のかたが訪れ、原爆で亡くなったかたを慰霊し、世界平和を祈りました。また、今年は94の国と地域の代表者が式典へ参列しました。
鈴木市長は「平和宣言」で、核戦争の危機が高まる今、人種や国境を越えた「地球市民」としての視点こそが、分断を乗り越える原動力になることを訴えました。そのうえで、市民社会には対話や交流による信頼構築と連帯を求めました。各国の指導者には、国連創設の原点に立ち返り、多国間主義と法の支配の再建などを求めました。そして、長崎は被爆地の使命として被爆の記憶を伝え続ける決意を表明しました。
また、今年の「平和への誓い」は被爆者を代表して神奈川県在住の西岡洋(ひろし)さんが務めました。13歳のときに、県立長崎中学校で被爆した西岡さん。被爆直後の様子や被爆後の生活など、自身の体験をもとに原爆の悲惨さを伝えました。そして、絶対に核兵器は使ってはならないという強い訴えに加え、「この美しい地球を守りましょう」と世界へ訴えました。

■長崎平和宣言(骨子)
•即時停戦の訴えと核戦争に突入することへの危機感の表明
•故・山口仙二(せんじ)氏の演説を引用し、核兵器の非人道性と再び被爆者をつくるなと訴えた被爆者の心からの叫びの共有
•日本被団協のノーベル平和賞受賞への言及と「地球市民」の視点に立った行動の重要性を強調
•市民社会に対し、地球市民として行動し、対話・共感・信頼を土台に、平和をつくる力に変えていこうとの呼びかけ
•すべての国の指導者に対し、同じように地球市民として多国間主義と法の支配の再建、来年開催のNPT再検討会議で核兵器廃絶への具体的道筋を示すことの要請
•日本政府に対し、憲法の平和の理念と非核三原則の堅持、核兵器禁止条約への署名・批准、核抑止に頼らない安全保障政策に向けたリーダーシップの要請、被爆者援護の充実と被爆体験者救済の要請
•原爆及び戦争犠牲者への追悼と、被爆の記憶の継承及び地球市民と連帯し核兵器廃絶への決意表明

■9~11月は平和の文化キャンペーン期間
夏だけでなく1年を通じて、日常の中で平和について考え、行動する「平和の文化」。スポーツや芸術などのさまざまな分野を入口とした平和に関する秋のイベントをウェブサイトにまとめています。イベントに参加して、「平和の文化」を広げていきましょう。

●イベント情報
▽10/2(木) 核戦争防止国際医師会議世界大会
医学的な立場から核兵器のない世界を考えるイベントです。

場所:出島メッセ長崎

問い合わせ:第24回IPPNW世界大会事務局
(【電話】844-1111)

▽10/11(土) 明治安田生命Jリーグウオーキング
稲佐山から、平和への祈りを込めて風船を飛ばします。
時間:午前11時~午後1時
場所:(集合)稲佐山公園

問い合わせ:明治安田生命長崎支社
(【電話】826-7131)