くらし 輝く島原人 THE SCENE Vol.93 島原に生きる


「人生の達人」
小西治子(こにしはるこ)さん(69)
昭和30年、島原市に生まれ育つ。福岡の大学を卒業後、北九州市の行政や病院などで管理栄養士として30年以上の実務を経て、熊本の大学で教鞭を執り管理栄養士の養成に携わる。東日本大震災など、全国の大規模災害の被災地での公衆衛生や食事支援などにも従事。
島原に帰郷後、食育推進の実践活動として、令和2年6月に「島原白山子ども食堂キッズキッチン」の開設に尽力。地域コミュニティの中で誰でも参加できる場として、湖南町の古民家を中心に子ども食堂を毎月開催。会運営の中心メンバーとして精力的に活動している。
島原白山子ども食堂キッズキッチン副代表、島原市食育推進会議会長、島原市食生活改善推進員、ながさき子ども食堂ネットワーク理事、長崎県食育推進県民会議委員、長崎県食育推進活動県知事表彰(R6)など。
湊町在住。

■島原白山子ども食堂キッズキッチン
「子どもの教育の基本となる知育・徳育・体育。その基礎となるのが食育です。平成17年に食育基本法が制定されて今年で20周年です。食べることは生きること。ここでは食事を提供するだけではなく、食についての学習や、大人と一緒に調理や配膳をしたり、地域の多世代の皆さんと一緒に食事をすることを大切にしています。」と、語るのは島原白山子ども食堂キッズキッチンの小西治子さんです。
子ども食堂を始めたきっかけは「料理はずっと好きで、大学では家政学を専攻し、管理栄養士として長年お仕事をさせていただきました。北九州市在住の頃、娘が通う学童保育ではエプロン姿で一緒に料理をしていました。楽しい思い出です。子どもたちと一緒に料理をしたい。おいしい食事を食べるときの子どもたちはとてもいい笑顔なんですね。それは母親にとっても周りの人々にとっても嬉しく幸せなことです。これが私の食育活動の原点であり、その実践の場としてふるさと島原で子ども食堂を始めたいという思いでスタートしました。この活動を通じて子どもたちには、五感と実体験を通して食について学んでほしい。昔は家庭でできていたことかもしれませんが、核家族化や共働きの家庭が増え、難しいご時世です。そのための工夫を考え、実践していくことが、私たちの役割ではないかと考えています。」と、地域に根差した食育活動への思いを語ります。

■出会いに感謝-広がる「輪」-
島原白山子ども食堂キッズキッチンは今年で6年目を迎えました。「活動を始めた当時はコロナ禍で、自宅を会場に小人数で始めましたが、その後は湖南町の古民家を拠点として活動できるようになりました。島原市母子寡婦福祉会をはじめ、島原市食生活改善推進員協議会の皆さん、食材などの提供やご支援をいただく事業所の皆さんなど多くの方々のご協力に心から感謝しています。また、高校生ボランティアや市内の日本語留学生、新たに子ども食堂を立ち上げたいという方の参加など、活動を通じていろいろな方との出会いがあり、ネットワークの広がりを感じています。」と、語ります。
「活動は一人でできるものではありません。ご支援、ご協力いただく多くの皆さんのおかげです。子どもたちの「おいしかった」「ありがとう」の言葉で私たちも元気をもらえます。活動を通じて地域にあるものをみんなで再発見をしながら、ご縁や繋がりを大切に子ども食堂の活動がさらに広がっていけば嬉しいですね。」と、感謝の気持ちと今後の展望を語っていただきました。

子ども食堂への参加・活動に関する問合せ先:
【電話】090-8833-4612 小西