- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県大村市
- 広報紙名 : 広報おおむら 2025年8月号(No.1552)
昭和20年8月9日11時2分、長崎市上空で原子爆弾が炸裂しました。その様子は、大村からでも見えたといいます。当時、大村市内の海軍施設にいた笹山さんは「最初、大村公園のあたりで爆弾が落ちたと思った。窓ガラスが大きく揺れて、火柱が見えた。広島への出張から帰ってきた人が、これは新型爆弾だ、と話していた」と振り返ります。
原爆によって負傷した人たちは、4本の救援列車で諫早・大村・川棚などの各海軍病院などへ運ばれました。その数はおよそ3500人。大村海軍病院(現在の国立病院機構長崎医療センター)があった大村にも、多数の被爆者が運ばれたといいます。松原地区では、松原国民学校(現在の松原小)などに臨時の救護所が設けられ、衛生兵などが救護活動に従事しました。
◆平和は自分たちの手でつくるもの
◇被爆者 六田 正英さん(92歳)
六田さんは被爆当時、長崎市内の旧制中学に通っていました。「その日は英語の期末試験でした。友人2人と下校し帰宅すると、ラジオから『敵機が島原半島を西進』と聞こえた。長崎の方向じゃないか、と思った瞬間、閃光が流れ、轟音と爆風に襲われ家もろとも吹き飛ばされ、気が付けば家の下敷きになっていた。近所の防空壕で家族と再会し、さらに山手へ逃げた。街は火の海、晴天だった青空は黒煙に覆われ真っ暗。一緒に下校した友人や掃除当番で学校に残っていたクラスメートは亡くなった」
戦後は父親の転勤で大村へ。84歳まで教育現場に携わり、現在は語り部としても活動しています。「大切なのは今。いかにして平和を保つよう努力するかということです。平和は神様や仏様に祈るものではなく、私たちの手でつくるもの。私たち被爆者の思いを若い人たちが引き継いで、今後も活動を続けてほしい」
終戦から80年目の今年、市内でもさまざまなイベントが開催されます。
◆7.29(火)~8.11(月)(祝)
◇ミニミニ原爆展・平和と学びポスター展
被爆後の写真や、原爆や平和に関するポスターなどを展示します。
場所:ミライon
問合せ:総務課
【電話】53・4111
◆8.3(日) 11:00~15:30
◇被爆80年祈念事業
長崎被災協大村支部との共催で、被爆者による体験講話や、紙芝居の上演などを行います。
場所:ミライon
問合せ:総務課
【電話】53・4111
◆(1)8.9(土)19:30 (2)8.10(日)14:30
◇松原の救護列車を伝える会 戦後80年祈念イベント(なんでんかんでんチャレンジ40助成金事業)
朗読劇「よしこちゃんと、あの日の女の子」上演と平和祈念コンサートの2部構成。
場所:(1)松原小学校 (2)プラザおおむら
料金:無料
問合せ:松原の救護列車を伝える会
【電話】090・3605・9717(田口)
◆8.11(月)(祝) (1)11:00(2)14:00
◇「うちゅうばくはつがくだん」による戦争関連のファンタジー作品上演(なんでんかんでんチャレンジ40助成金事業)
音楽紙芝居楽団「うちゅうばくはつがくだん」が戦争関連のファンタジー作品を上演します(要申込)。
場所:キイト舎(サクラミライ新大村内)
料金:1,500円
定員:20人
問合せ:キイト舎
【電話】080・7697・8781(石川)
戦争の記憶を風化させず、次世代へ伝えようと精力的に活動する皆さんがいます。平和とは何か、一緒に考えてみませんか。
◆松原の救護列車を伝える会|生きた証言を聞くことができる最後のチャンス
10年前に結成された「松原の救護列車を伝える会」(通称「松救」)は、戦争体験者への聞き取り活動を行っています。「胸に秘めていたことでも、今だから話しておこう、という人もいる。この先10年で証言をしてくれる人は劇的に減る。生の声を聞く機会を逃さないようにしたい」と話します。
「当事者がいない世界になったとき、この話をどのように保存し継承するかは、次の世代次第」との思いで、体験談を基にした朗読劇やアニメーションの制作、学校などでの講演など、継承活動にも精力的に取り組んでいます。今年はイベントを開催し、新作の朗読劇を披露します。
◆第28代高校生平和大使 芮 序知(イェ ソジ)さん|平和への思いを世界へ
松原小出身の芮さんは、幼いときから間近で見てきた「松救」の活動に感銘を受け、高校入学後すぐ「高校生1万人署名活動」のメンバーとして活動を始め、署名活動のほか、国内外での交流会や小中学校での平和教育などを通して、平和の大切さを訴え続けてきました。そして今年、第28代高校生平和大使に選出されました。「まずは日々の署名活動を大切にして、長崎の子どもたちや県民の皆さんに平和への思いを伝えたい」と芮さん。9月には全国からの署名を届けるため、スイスの国連本部を訪問予定です。地道な活動で培った思いを、世界へ届けます。
原爆や戦争の犠牲になられた人たちのご冥福を祈るため、1分間サイレンを鳴らします。黙とうをささげ、平和への誓いを新たにしましょう。
・広島原爆の日
8月6日(水) 8:15
・長崎原爆の日(県民祈りの日)
8月9日(土) 11:02
・全国戦没者追悼式
8月15日(金) 正午
問合せ:福祉総務課
【電話】53・4111
放送日:8月8日(金)・9日(土)
番組はYouTube市公式チャンネルでも公開しています。ぜひご覧ください。
問合せ:広報戦略課
【電話】53・4111
海外や沖縄、硫黄島で亡くなられた戦没者の遺骨を遺族へ返すため、DNA鑑定の申請を受け付けています。
問合せ:厚生労働省
【電話】03・3595・2219