イベント 行ったぞ!万博!(1)

4月13日から開催されてきた、大阪・関西万博が10月13日に幕を下ろしました。6月には、パビリオン「BLUE OCEAN DOME」で1週間にわたって、対馬の海の現状や課題、未来への展望などを、対馬に関わるたくさんの人たちが意見を出しあい考えました。対馬を起点に、地球のこれからについて考えた1週間を振り返ります。

■史上初!海に囲まれた万博で対馬を発信!
今回の大阪・関西万博は、大阪湾に作られた人工島「夢洲」を会場に行われました。万博では初となる海に囲まれた会場は、海を通じて世界とつながることを表現しており、古来から海の恵みを受けて暮らし、海をとおして人々が往来し、歴史や文化を紡いできた日本の姿を現しています。対馬もまた、海に囲まれ、様々な恩恵を受けてきました。その一方、海ごみや気候変動などにより、多くの問題を抱えている側面もあり、対馬に似た環境で行われた大阪・関西万博は、対馬をアピールする格好の場所となりました。▽海の上に浮かぶ万博会場。期間中は、1日あたり数万~数十万の来場者が訪れました

■色々なところで対馬ゆかりのモノが!
対馬に流れ着いた漂着ごみを原料にした買い物かご。連日多くの人でにぎわったオフィシャルショップなどで使われました。大人気パビリオン「住友館」では、グループ企業が対馬で所有する森林を、ツシマヤマネコの保護活動に提供している縁でツシマヤマネコについて紹介するブースがありました。

韓国からは、対馬を経由して復元された朝鮮通信使船が大阪港に入港しました。また韓国ナショナルデーでは、朝鮮通信使行列が会場で再現され、先導役として対馬藩の武士団が対馬から参加し、万博のシンボル大屋根リングの下を練り歩きました。

■万博の目玉「ミライ人間洗濯機」開発に携わった対馬出身者
今回の万博では、対馬にまつわるモノの参加だけではなく、展示や運営などで対馬にゆかりのある人たちも関わりました。豊玉町出身で、現在、住宅設備メーカーの専務取締役を務める平江真輝さんは、万博の目玉の一つとして注目を集めた「ミライ人間洗濯機」の開発に携わりました。

大阪にある私の会社では、微細な泡を発生させ、洗わなくても身体の汚れを落とす浴槽やシャワーなどを作っています。1970年の大阪万博に登場し、実用化しなかったものとして人間洗濯機が挙げられているのを聞いて、私たちの技術を使えば、実現可能ではないかと声が上がり、開発することになりました。その後、開発の話を聞いた50年前の開発者やデザイナーの方もプロジェクトに参加してくださり、当時の万博への熱量や思いを感じながら、ともに開発できたことはとても良い経験となりました。
今回の人間洗濯機は、身体だけでなくココロまで洗えるものを目指しました。結果、今までになかったセンサーの開発につながるなどの成果もあり、いろいろな人たちが万博をとおして「未来」を考え、多くの人たちに見せたいと思う力が集まることで、新たな未来が拓けてくるのだと実感しました。