くらし 私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

■五島市に暮らすいろんな人のオススメ本を紹介するコーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

▼16冊目
遊び場(Bar)好き間 野原拓馬さん
大荒町出身。五島高校を卒業後、大分の大学に進学。卒業後は会計ソフトを制作する会社に入社しました。仕事に忙殺され、自分の時間が取れていないことに気づき、3年程で退職。五島へ帰郷することにし、以前よりも時間ができたことから、ゲーム、漫画、アニメなど、趣味を楽しむ余裕ができました。
好き間オープンのきっかけは、熊本で立ち寄った角打ちの店主の「どこでも、どんな物でも事でも、売り方・狙いさえ考えれば商売はできますよ」という言葉を聞いたことです。商売をする上での至言を聞けた、と感銘を受けました。ちょうどその頃、ヲタクが集まるお店をしたいと思っていたこともあり、すぐに開店準備に取りかかり、3ヶ月程で「ホビーBAR好き間」をオープンしました。
現在好き間は9年目、屋号も「遊び場(Bar)好き間」に変わっています。これからも応援してくださる皆さまのために、皆の好きが集まる遊び場を提供し続けます。

▼野原さんのとっておき
コロナ禍の時、妻が読んでいたこの本を読み始めたのが出会いです。「ケーキの切れない非行少年たち」と併せて読了し、支援の必要な方は実は相当数いることが分かりました。社会には本来受けるべき支援を受けられなかった人がいる、そういう視点が周知され、対応できる社会になってほしいと思います。

○どうしても頑張れないひとたち
宮口幸治/著(新潮社)
「ケーキの切れない非行少年たち」というベストセラーの続編にあたる本です。上述の本は非行少年の実情について、低知能・境界知能が原因の認知力不足、そこからくる周囲との不和や軋轢との関連性を詳らかにしているものです。
その続編の本書は具体的な支援に重きを置いており、支援の方法など被支援者・支援者本人・支援者のグループなど視点を変えてケーススタディ的に紹介されています。その対処法は、いわゆる境界知能の方に留まらず「頑張れない人」と感じているすべての人への支援に応用できるものとなっていて、仕事が続かない人、落ち着きのない子どもなどの頑張れない態度へのアプローチには目からウロコのものも多いです。また、接客・接遇業務の方でも本書の視点を持つことで変わるものがあると思います。

こちらの本は市立図書館で借りられます。