くらし 令和7年度 施政方針(1)

令和7年第1回定例市議会で、金澤市長が述べた「施政方針」を抜粋してお知らせします。

■4期目の市政運営(所信)について
市長就任後から、目指すべき市政運営として、市民の皆さまの声に謙虚に耳を傾け、経営感覚を持ち、市民の視点・立ち位置で、市民満足度の向上を図るとともに、事業の成果主義による情報公開を行い、常に改善意識を持ち省力化・効率化に取り組んでまいりました。
特に、3期目からは、「雲仙市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を内包した「第2次雲仙市総合計画」に基づき、子ども福祉医療費の対象拡充、現物給付による支援制度を開始するとともに、市内小中学校における学校給食費の無償化の制度を創設したほか、一般国道57号富津防災の新規事業化や「島原道路」の事業促進による幹線道路の整備、市内全域を対象とした光ブロードバンドの整備など、さまざまな分野において成果をあげることができました。
市民の皆さまとの協働により生み出されたこの動きを必ずや進化させたいという断固たる思いを抱き、4期目の立候補を決意し、選挙において当選させていただきました。
改めて、その職責の重さに身の引き締まる思いであるとともに、選挙期間中において拝聴いたしました厳しいご意見に併せて、今回の選挙結果につきましても、真摯に受け止めさせていただき、今一度、原点に立ち返り、思いを新たにして、雲仙市の価値を最大限に高められるよう、さらなる前進に向け、引き続き全身全霊で職務を務めさせていただく所存であります。
人口減少の速度を緩めつつ、次世代を担う子供たちが、安心して暮らすことができる環境づくりを実現するためには、これからの4年間において、これまで積み上げてきた事業等の「継続」と、変化に対応し持続可能な行政運営を目指すための「改革」をテーマとして市政運営に取り組んでまいります。具体的な取り組み項目としましては、
(1)幹線道路の整備
(2)農業基盤整備の推進
(3)選ばれる観光地づくり
(4)住環境の整備
でありますが、このような取り組みを展開するため、積極的かつ抜本的な見直しを行うとともに、財源の確保に向けた取り組みを進めてまいります。
今後も、雲仙市の未来が確かな発展を遂げることができるよう全力を傾注し、まい進していく所存でありますので、議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げ、4期目の市政に臨む所信とします。

■令和7年度の主な取り組み
※「第2次雲仙市総合計画」の基本方針に沿って説明します。

◆1 暮らしと安心
〔出会い・結婚、移住・定住〕
▽人口減少の克服に向け、本市への移住者を紹介していただいた方に市の特産品を贈呈する移住者紹介特典事業を創設します。
▽大阪・関西万博に関連した国の万博国際交流プログラムにおいて、雲仙市の在来種野菜や食文化の魅力発信に取り組みます。
▽全天候型子どもの遊び場につきましては、既存施設の改修工事に取り組むとともに、令和8年度中の開設に向け準備を進めます。
▽移住促進空き家リフォーム補助金については、空き家バンク登録物件以外の空き家も対象とするなど拡充します。
〔子育て支援〕
▽子どもの居場所づくりとして、引き続き放課後児童健全育成事業等を実施します。
▽「妊婦のための支援事業」としまして、妊娠時と出生後にそれぞれ5万円の給付金を支給することに加え、これまで対象ではなかった流産や死産等の児も対象とします。
〔地域福祉・高齢者福祉〕
▽中学生や地域の方に参加いただく、市民による「高齢者等見守り声かけ訓練」など、地域における見守りの体制づくりに、取り組みます。
〔障がい者福祉〕
▽障がい者の活動成果発表の機会や子どもと障がい者が交流する機会を創出し、障がいに対する理解・認識を深め、障がい者の自立と社会参加の促進に努めます。
〔健康・医療体制〕
▽がんの治療に伴う外見の変化を補い、がん治療と社会生活の両立を支援するため、新たにウィッグ等購入費用の一部助成を実施します。
〔暮らしの安全確保〕
▽新小浜消防署については令和7年度中の供用開始を予定されており、市においては、ヘリポート整備など消防施設の充実と消防力の向上に取り組みます。
〔社会援護〕
▽雲仙くらしの相談室の設置により、今後も関係機関との連携を図りながら、市民の皆さまが相談しやすい体制づくりに取り組みます。

◆2 産業と交流
〔農業〕
▽地域おこし協力隊制度を活用しながら、市民農園の研究や農業体験などのイベントを企画し、農地の有効活用につなげます。
▽オーガニックビレッジ宣言を行い、環境に配慮した有機農業の推進を図ります。
▽省力かつ高品質生産を実現するスマート農業の取り組みとして、新たに農業用ドローンによる農薬等散布作業の委託費用の一部を支援します。
▽畜産における施設整備や機械機器の導入、能力の高い家畜の導入を支援します。
〔林業〕
▽高性能林業機械の活用による作業の効率化と低コスト化を目指し、林業専用道の整備や簡易で耐久性のある路網の開設を推進します。
〔水産業〕
▽漁業施設等の整備を支援し、漁業経費の削減や生産性・収益性の向上を図ります。
〔物産ブランド〕
▽昨年受賞した美食都市アワードの効果を最大限に発揮できるようPRを行います。
〔商工業・企業誘致・新産業〕
▽中小事業者等の経営基盤の安定と生産性向上を図るため設備投資へ支援します。
▽市内に居住する新卒者等に対し、市内中小事業者等への就職を促進するため、新たに就職支援金を支給します。
▽外国人を雇用する事業者に対し、雇用等にかかる負担を軽減するため、外国人の就労・居住環境整備に対する支援にも取り組みます。
〔観光・交流〕
▽一次産業と連携した「食」を活かした新たな観光コンテンツ開発や体験型アクティビティの充実、観光ガイドおよびインストラクター等の観光人材の育成など雲仙観光局の取り組みを支援します。
▽雲仙地区が国立公園指定90周年を迎えたことから、ミヤマキリシマ保全活動など国立公園指定100周年に繋がる取り組みを実施します。