子育て 育ちを見守り、助ける場所-これから羽ばたく子どもたちのために-(1)

本市の公立保育所は玉名第1保育所と伊倉保育所、豊水保育所の3カ所。私立の認可保育所や認定こども園などを合わせると全部で27カ所あります。今月号は公立保育所でのICTの取り組み紹介と保育所の中での子どもたちの生活をピックアップしてお伝えします。

■保育所が大事にしていること3つ
保育所は、保護者が仕事をしているなどの理由により保育を必要とする子どものための施設です。子どもの最善の利益を考慮しながら、保護者と連携して保育を行い、一人一人の子どもたちが「現在を最も良く生き、望ましい未来を作り出す力の基礎を培う」ことを大切にしています。(厚生労働省「保育所123(ほいくしょいち・に・さん)」から抜粋)

1.子どもたちが幸せに過ごせる生活の場
・安心で心地よい居場所となること
・子ども自身が自分を守る力を身に付けられること

2.豊かな体験を通して大きく育つ
・感覚や心身全体を働かせて実際に体験すること
・子どもが自ら挑戦したり集中して取り組んだりできる環境を作ること

3.家族と共に子どもの育ちを支える
・子どもの育つ姿を共有すること
・相談や助言での子育て支援を行うこと

市内保育所・園一覧

■公立保育所ではICT※を取り入れています!
登・降園の管理やお知らせ配信、連絡帳のやりとりをスマートフォンなどから簡単に行うことができ、家庭と保育所がより密につながる仕組みです。日々の子どもの成長や園での様子を、安心して共有できる環境づくりを進めています。
※Information and Communication Technologyの略でインターネットやパソコンなどの情報通信機器を用いてコミュニケーションを実現する技術のこと

1.登園・降園をアプリで管理
入園時に各世帯でインストールしたアプリを使い、子どもの情報が記載された二次元コードを登園や降園の際に読み取り機にかざすと、登園・降園時刻が自動的に保護者へ通知されます。父母に代わって祖父母などが送迎をする場合にも、アプリを登録している保護者全てに通知が行くため、車への置き去りなどの事故を防ぎます。アプリではそのほか、お便りや給食の内容、その日の体調やこれまでの成長のグラフなども確認できます。

2.お昼寝時の体温・体動チェック
0~1歳児の子どもたちの安全なお昼寝環境を守るため、保育士が5分おきに視診・触診でしっかり見守りながら、午睡チェックセンサー内蔵の「おひるねバンド」を導入しています。センサーがうつぶせ寝・体動(呼吸)・温め過ぎの見守りを行うことで、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防・早期発見に努めています。
*乳幼児突然死症候群(SIDS)とは
何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因の分からない病気のこと。窒息などの事故とは異なり、乳幼児の死亡原因としては5番目に多くなっています。

3.子どもたちの普段の様子を写真で保護者へ(ドキュメンテーション)
子どもたちの日々の生活や遊びの中で見せてくれる姿をドキュメンテーション(写真付きの保育の記録)を通して紹介。『できた!』『やってみたい』という気持ちの積み重ねが、子どもたちの大きな成長につながっています。
送迎のときに泣いていた子が、日中は笑顔で過ごせている様子を見られることで、保護者の安心にもつながります。
実際にどのような場面を配信しているか、本紙6ページで紹介します。

◇保護者の思い
西里朋美(にしざとともみ)さん(中、玉名第1保育所保護者会長)
6歳と2歳の2児の母。育児をする上で大切にしていることは常になんでも楽しくすること。

スマートフォンで使えるアプリが導入されて、手元ですぐ確認できる安心感が増えました。親の招待で祖父母などもアプリを使用できるので、たまに自身の母に迎えを頼むことがありますが、降園時間がアプリの通知で分かり安心です。登園時間が遅れたときに夫が「今日は登園が遅かったけど、朝から何かあったの」と心配して話してくれることも。
また、ドキュメンテーションの配信で子どもの生活風景が写真で送られるため、迎えの車の中で「今日は何をしたの」と話したときに写真が確認できると「このことを言っていたのか」と後でしっかり理解ができます。子どもたちも「今日は写真に写っているかな」と気になるようで、帰宅してからの会話のきっかけにもなっています。遠く離れたところに住んでいる夫の両親が「これはうちの孫だ」と写真を見て子どもの様子を確認できるところもうれしいです。

((2)に続く)