- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年1月号
■ふるさと食の名人 春田 勝子さん
〔Profile〕はるた・かつこ
昭和18年5月31日生まれ。高校卒業後、花嫁修業のため料理学校に入学。23歳で芳親(よしちか)さんと結婚し、亡くなるまで︎33年連れ添ったおしどり夫婦。一度もけんかをしたことがなかったという。伝承料理の講師として小学校や地域の料理教室で地産地消の大切さを説く。趣味は料理とカラオケ、絵手紙。田島二区在住。81歳。
自宅の台所で得意料理の一つであるからし蓮根を持つ春田さん。座右の銘は「料理は薬よりも人を元気にする」
ムカゴご飯やお姫さん団子汁、からし蓮根など、地域色豊かな料理が並ぶ食卓。「相手のことを思いながら料理する時間が一番楽しかね」と話す料理研究家はお皿の向かいで笑顔を見せる。お節介焼きも手伝ってか、50年以上も食の大切さを伝え続けている。
結婚後、27歳で地元の婦人会に入会。翌年、地元で起きた火事ではメンバーと炊き出しを行い、消防団員から感銘を受けた。「それがうれしいやら恥ずかしいやらで」。普段何気なく作っている料理の持つ力に気付き、料理を振る舞う喜びを覚えた。その後も料理の腕を買われ、数々の料理コンクールで入賞。伝統料理の継承も始め、平成15年には「くまもと食の名人」に認定された。「たいそうな賞をいただいて恐縮するよ」と笑顔で振り返る。
大切にしているのは無駄なく季節の食材を使うこと。食べ物の乏しかった戦時中の体験が生きている。コンビニやスーパーなどで何でも買える飽食の時代だが、食材の持ち味を生かすだけで十分だという。「旬を感じること。自然、そして食べてくれる人への感謝がおいしい料理の秘訣だね」
今年度も泗水西小学校の児童と一緒に、記念式典の弁当や学校で収穫した梅を使ったアイスの商品開発に携わってきた。「料理は五感を感じないと作れない。子どもたちには季節や自然を肌で感じ、そして人を感じられるような大人になってほしい。これからも体の続く限りできることを続けます」
■「菊池人」希望者を募集します
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問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252