- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年9月号
「メタボリックシンドローム」という言葉が聞かれるようになって20年あまり。皆さんはどのくらいメタボについてご存知ですか。実は、お腹周りの大きさだけではないメタボについて学んでみましょう。
■メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満を基盤として、高血糖や脂質異常、高血圧が重複し、動脈硬化性疾患の発症リスクが高くなった状態のことです。
【診断基準】腹囲を満たし、かつ「脂質異常「」血圧高値」「血糖高値」の3項目中2項目以上該当する場合「メタボリックシンドローム」と診断されます。
■メタボだと危険なの?
「メタボ」=「単なる肥満」ではありません。内臓脂肪の過剰な蓄積は、インスリンの効きを悪くし、血糖や血圧を上昇させます。また、内臓脂肪が分解して生じる遊離脂肪酸が肝臓に直接流入するため、脂質異常症が発症し、放っておくと動脈硬化を引き起こします。
■どのような症状が起きる?
糖尿病、脂質異常症、高血圧などの症状が出ることがあり、放っておくと以下の症状が起こることがあります。
・心臓病
・糖尿病による糖尿病網膜症、糖尿病性腎症
・糖尿病性神経障害など
■市民の皆さんの状態は?
市特定健診結果より、メタボリックシンドローム該当者の割合が増加傾向にあることが分かっています。令和元年度は県よりも低かったのですが、令和5年度では県や全国平均よりも高くなってきています。(左上記図参照)
生活習慣の見直しを行うことで、少しでも内臓脂肪の蓄積を防ぎ、高血圧や脂質異常症、糖尿病などに進行させないことが大事です。
■これからできることは?
内臓脂肪はたまりやすい反面、減らしやすくもあります。体重を少しずつ減らすことができれば、血管を守ることができ、動脈硬化性疾患を予防することにつながります。
◇食事内容の改善
・摂取するカロリーを減らす
・間食をやめる
・節酒する
◇運動量・活動量を増やす
・ウオーキング(やや早め)17分
・ラジオ体操18分
・水泳(のんびり泳ぐ)12分など
◇睡眠不足を解消する
睡眠不足になると体内で食欲を増進させる「グレリン」という物質が分泌されます。一方で食欲を抑える働きを持つ「レプチン」という物質が減少し、過食傾向になりやすくなります。
血管の変化は長い時間をかけて起こります。メタボかもと思った人は、自身の生活を振り返ってみましょう。