くらし キバッ輝ヒト(74)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県上天草市
- 広報紙名 : 広報上天草 令和7年6月号
■塩田貴唯(しおたたかい)さん(32歳)
大矢野町出身
▽苦境の中で磨かれた表現力、世界へ羽ばたくアーティスト
塩田さんは、「takai」というアーティスト名で、個展を開催するなど東京を拠点に活動をされている画家です。
塩田さんの作品の特徴は、アクリル絵の具を使った独特な表現にあり、見る人の想像を掻き立てる幻想的な世界観を表現しています。塩田さんが作り上げたこの表現技法のことを本人は「溶かす」と呼び、唯一無二の表現技法として、業界から高い評価を受け、注目を浴びています。
しかし、ここまで辿り着いたのには、大きな決断と苦境を乗り越えた経験が背景にありました。
幼い頃から絵を描くこと好きだった塩田さんですが、高校卒業後は、自動車メーカーに就職します。しかし、22歳の頃、絵を描く情熱が再燃し、画家になりたいという目標ができました。それから3年間、仕事の合間にひたすら絵を描き、腕を磨きました。その後、20代後半になって遂に、本格的に画家になるために仕事を退職し、画家としての表現力を磨くために、ストリートアートの本場であるイギリスのロンドンへ渡ることを決断します。この決断について、「迷いもあったけど、自分が外国でどこまでやれるのかを知りたかった。」と塩田さんは話します。
大きな決断を経て、イギリスに渡った塩田さんですが、言葉の壁、さらに新型コロナウイルスによるロックダウンの影響で活動は困難を極めました。しかし、「一度決めたことは、最後までやり通す。」と信念を持っていた塩田さんは、日本食レストランで働いて生計を立てながら、休日はひたすら現地の美術館などを訪れ、異国の文化を吸収しました。こうして、苦境を乗り越えながら、イギリスで滞在した2年間で、アーティスト「takai」の表現力・感性は磨かれ、現在の作風が形成されました。
塩田さんは、これまでの画家人生を振り返って、「人生の経験で無駄なことなんてない。すべての出来事に意味がある。」と話し、イギリスに渡ったことも一度自動車メーカーに就職したことも全て、今の塩田さんを彩る要素であることを教えてくれました。
今後の活動について塩田さんは、「海外での活動も視野に入れているが、大好きな故郷、上天草でも何か活動が出来たら。」と話しました。
■「キバッ輝ヒト」を募集します!
新しいことに挑戦している人、賞を受賞した人など上天草市で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦、ジャンルなどは問いません。詳しくは総務課秘書広報係までご連絡ください。
問合せ:総務課秘書広報係
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