くらし 地域の人権相談パートナー 人権よもやま話

人権擁護委員
岩根浩(いわねひろし)さん

先ごろ、人権について話す機会がありました。参加者は10代から60代までの32人。ねらいは『人権問題の現状と重要課題を理解し、自身の生き方について考えること』です。
前半では、こどもが被害者となるいじめや虐待、体罰。インターネット上の誹謗中傷や、差別を助長するような情報の発信。障がいのある人、外国人、性的マイノリティであることなどを理由とする偏見や差別について取り上げました。
後半では、受講者の人たちと共に『職場における人権課題』をテーマにしたDVDを視聴し、年代や性別、国籍の多様化、コミュニケーションの取り方などによって、新たな人権課題が存在していることへの理解を深めることができました。
受講者の皆さんからは「常に相手の立場に立った言動が必要」「無知・無関心が差別を生む」「思い込みや決めつけが人を傷つける」「合理的配慮について知ることができた」など、多くの感想をもらいました。社会に存在するさまざまな人権課題は決して、自分以外の〝誰かのこと〟〝自分には関係のないこと〟ではなく、自分にとっても他者にとっても大切なものであると、確認し合うことができたと思います。私にとっても大変有意義な学びのひとときでした。
本市では現在、9人の人権擁護委員がいます。本稿で紹介したような研修会や、人権教室、人権相談など、人権の大切さを広める活動を通して、誰もが活躍できる幸せな社会の実現に向けて活動しています。
人は誰でも幸せに自分らしく生きる権利を生まれながらに持っています。それを奪うのが差別であり、被害に遭っているのは、常に弱い立場の人です。物事を『正しく見る。正しく知る。正しく考える』。このことを常に自分に言い聞かせながら、一人一人が楽しく安心して過ごせる環境づくりに努めていきたいと思っています。

問い合わせ:人権啓発教育課 啓発教育班
【電話】096-248-2399