- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県和水町
- 広報紙名 : 広報なごみ 2025年8月号
町内小中学校の様子をお知らせするため、定期的に掲載を行っています。
■菊水小学校
○見えない誰かのための「てまえどり」
最近、コンビニ等でみかける「てまえどり」の表示。農林水産省は、食品ロス削減に向け、小売店舗が消費者に対して、商品棚の手前にある商品を選ぶ「てまえどり」を呼びかける取組を行っているのだそうです。
ある会報に載っていた文章です。
スーパーに賞味期限が五日後の牛乳と六日後の牛乳が並んでいると、日本ではほとんどの人が賞味期限の長い方を買っていく。より新鮮であり、保存も長く持つからである。しかし、アフリカの小さな村では、村人たちは賞味期限の切れそうなものから買っていくのだという。貴重な食べ物を捨ててはいけない。だから賞味期限の迫ったものを自分が買って、より新しい食べ物は仲間たちに残すのだ。仲間への思いやりのある消費、そして食べ物の総量が乏しいことを知っている消費。日本の私たちの消費に他者はいない。仲間はいない。まして、残された賞味期限の短い牛乳の行方を案じたり、考えたりする人はいない。もののあふれる日本では、仲間の顔の見えない寂しさが人々をますます孤独な消費に走らせている。本当に豊かな社会とは、どちらの国のことだろうか。
食べられるのに捨てられてしまう食品を「食品ロス」といいます。日本の食品ロスは年間約472万トンになり、国民全員が毎日おにぎり1個を捨てている計算になるそうです。これは、世界の飢餓に苦しむ人々に向けた食料援助量(約480万トン)とほぼ同じ量になります。
2021年、世界の人口の約10%にあたる8億2800万人が飢餓状態にあると報告されています。
その一方で、先進国では余った食料がまだ食べられるのに捨てられているのが現状です。日本の食糧自給率は先進国の中でも低く(カロリーベースで約38%)、多くの食べ物を海外からの輸入に頼っています。しかしながら、多くの食品ロスを生み出しているという状況は、社会全体で解決していかなくてはならない課題の一つです。その解決策の一つが「てまえどり」なのですね。
学校でも、給食食べ残し「0」を目指して取り組んでいます。
■三加和小学校
○「身近なところから環境問題に目を向けよう!」
4年生は、総合的な学習の時間に、環境問題について社会科の単元「ごみはどこへ」と関連させながら学んでいきます。
先日、熊本県の環境立県推進課の西さんから、熊本県の環境について教えていただく機会がありました。まず、熊本県には3つの海が隣接しており、「ハクセンシオマネキ」や「ムツゴロウ」など、23の固有種がいることを学びました。実際に写真を見せていただき、子ども達も生き物に興味を持ったようです。次に、熊本県には4つの一級河川がありますが、阿蘇山で降った雨が地下水となり、熊本市まで届くのに20年ぐらいかかること、そして、その水を私たちが今使用していることを聞き、とても驚いていました。
その後、生活で使用する物がどれくらい水を汚してしまうのかを確かめるために、味噌や醤油、洗剤を水で溶かした液、十町川の水、学校の水道水をそれぞれ比較するパックテストを行いました。検査カードの色と見比べて、「学校の水道水や十町川の水がきれいで安心した。」というつぶやきが聞こえてきました。
4年生は、11月に見学旅行でごみ処理場に行って、自分たちの出すごみがどのように処理されているのかを見学する予定です。今回の学習から、環境問題を解決するためには、自分たちの生活をまず見直すことが大切だと実感していました。