くらし 令和7年度施政方針(1)

村議会6月定例会にて太田吉浩村長が施政方針を述べられましたので、その一部を掲載します。

初めに取り組むのは、財政健全化を目的とした行財政改革の推進です。住民サービスの維持・向上を図り、持続可能な行財政運営を目指すためには、行財政改革を確実に進める必要があり、そのためには現状分析に基づいた改革計画の立案と、計画を確実に実施する体制の構築が必要です。
また、村が持続可能な発展を遂げるためには、歳出の見直しと同時に、新たな財源を確保することが求められます。特に自主財源として、ふるさと納税の獲得に全力で取り組み「稼げる村」を目指します。委託業者の見直しや連携強化も含めて大胆に改善を試み、2年で10億円、4年で20億円の収入を目指し、得られた財源を子育て支援、福祉や各種補助金の充実、その他村づくり政策に活用していきます。
次に、子育てしやすい村づくりに力を入れます。私の考える村づくりは、何よりも「人づくり」が基本です。未来を担う子どもたちが伸び伸びと学び、安心して遊べる環境を整えることは重要であり、その中で公園は、地域の子育て世代のニーズに応えるための重要な拠点となるものです。そのために、遊具付きの児童公園を整備し、子どもたちが自由に遊び、友達と交流できる場所の提供を目指します。
そのほか、子育て世帯への経済的支援も重要です。ふるさと納税などにより財源をしっかりと確保し、村独自の子育て支援金や手当を設け、子どもを持つ家庭の負担軽減に努めます。併せて、教育環境の上質化にも取り組みます。
次に、観光振興です。
観光資源として、これまで南阿蘇村が保有していた温泉施設は、維持管理に関する財政的課題および民間の力を活かすとして「四季の森温泉」「木の香温泉」「瑠璃温泉」「ウィナス」が売却されました。温泉施設は地域の観光資源としてだけでなく、住民の健康や福祉にも寄与する重要な施設です。
私は「稼げる村」づくりに全力で取り組み、その還元として身近で気軽に利用できる温泉環境を復活させたいと考えています。熊本地震の影響で閉鎖された温泉の再開検討を始めます。さらに民間の温泉施設が多数存在する本村では、村民の皆さまが気軽に利用できるようにするため、住民向けの温泉利用券の発行についても実施に向けた検討を進めます。
今後も地域と連携しながら、道の駅、温泉施設のみならず水源、自然、文化、歴史など地域の観光資源をブラッシュアップし、魅力的な観光プランを提供します。また、村の豊かな景観と気候風土を活かしたイベントを開催するなど、多くの方々の満足度、幸福度を満たす南阿蘇村の新たな観光振興、地域振興に努めてまいります。
次に、農業振興と販路拡大です。農業振興は、地域経済の活性化や食料安全保障の観点から非常に重要なテーマです。
特に「稼げる農業」を実現するためには、農作物の販路拡大や国・県の予算確保が不可欠ですが、近年の市場競争の激化や消費者ニーズの多様化により、販路の確保がますます重要な課題となっています。
そこでまず、販路拡大に向けた取り組みとして、南阿蘇ブランドの確立や地域特有の農産物のPRが必要です。私は「トップセールス」により村内の農産物を積極的にPRすることで、販路の拡大を目指します。
また、現在の物価高騰や資材高騰の影響も無視できません。このような状況下では、国や地方自治体による支援策が重要です。私は国会議員の秘書経験や政治的人脈を活用して国・県に対して予算の要望を行います。そして「稼げる村」づくりの還元として、村独自の補助制度も拡充し、安心営農の村づくりを推進します。
次に鳥獣被害対策です。本村において、鳥獣被害と遊休農地の解消は、農業の持続可能性や地域の活性化において非常に重要な課題です。鳥獣被害は年々深刻な問題となっており、野生動物による被害が農地のみならず住宅地への被害も拡大し、生活環境に多大な影響を及ぼしています。