文化 都城島津伝承館 企画展「都城地域の戦争と平和 ~古代から西南戦争まで~」

平和について考える ー戦後80年5館合同連携イベントー

■今、平和について考える
昭和20年8月15日に戦争が終わってから、今年で80年を迎えます。この間、日本では戦争を経験せず、平和な時代が続いてきました。
一方、世界では絶えず戦争が起きていて、多くの尊い命が失われています。近年は、戦争によって被害を受ける人たちの様子が連日報道され、日本でも有事を想定した体制が論じられるようになってきました。
こうした状況の中、戦後80年の節目を迎える今こそ、戦争のない平和な時代を継続するために、歴史に学ぶことが必要です。
本展示では、日本と都城における戦争と平和の時代の歴史を振り返りながら、戦争の悲惨さと平和の大切さについて考えます。

■戦争の始まり
地球上に人が暮らすようになって以来、戦争は繰り返されてきました。それはいつから行われてきたのでしょうか。
日本列島に人類が住むようになったのは3万数千年前とされていて、都城では約2万8千年前からといわれています。
縄文時代の末期に大陸から水稲農耕が伝えられます。弥生時代になると、人々は集団で生活するようになり、集落ごとに物資を貯蔵するようになりました。その貯蔵された物資や用水の確保を巡って、戦争が起こるようになったのです。

■江戸時代の平和と文化の発展
戦国時代を経て天下統一を成し遂げた徳川家康は、江戸に幕府を開き、戦乱の世を終結させました。
江戸時代初期にキリシタンが蜂起した島原の乱が起こると、それを鎮圧して、鎖国の道を歩んでいきました。その後、「徳川の平和」といわれる260年以上戦争のない時代を迎えます。
こうした平和で安定した時代が長く続いた結果、日本は経済的にも文化的にも大きな発展を遂げました。
「天下泰平」の時代は、身分制の問題はあったものの、人々の生活を豊かなものにしたといえます。

◆講演会「天下泰平を支えた先人たちーその言葉に学ぶー」(無料)
日時:8月9日(土) 13時30分~
講師:熊本大学文学部教授・永青文庫研究センター長 稲葉継陽(つぐはる)さん
会場:コミュニティセンター
定員:70人
※申し込み順
申込み:7月12日(土)から、電話(【電話】23-2116)または予約フォームから都城島津邸

■蒙古襲来と島津氏
文永11(1274)年と弘安4(1281)年の2度、元からの大軍が九州に来航しました。台風の襲来も手伝い、鎌倉幕府はいずれも何とかその撃退に成功しています。1度目の襲来後、幕府は、再度の襲来に備えて異国警固番役(いこくけいごばんやく)を設置し、博多湾沿いに石垣の防塁を築きました。
島津氏は初代忠久、2代忠時、3代久経(ひさつね)までは鎌倉で生活していて、鎌倉幕府と親密な関係を持っていました。
しかし、久経が異国警固番役を命じられ、これをきっかけとして建治元(1275)年に九州へ下向することになったのです。

■北郷氏の誕生と戦争
観応元(1350)年10月から始まった観応の擾乱(じょうらん)。2代将軍足利義詮(よしあきら)は、文和元(1352)年4月と6月、島津氏に畠山直顕(ただあき)や足利直冬(ただふゆ)を討つように命じました。この時、5代島津忠宗の六男資忠(すけただ)は、将軍方につき活躍します。
その褒賞として、同じ年に「北郷」と呼ばれる領地を与えられて島津から分家し、名字を「北郷」に改めたことで、北郷氏が誕生しました。

◆企画展概要
会期:7月5日(土)〜9月28日(日)
※月曜日休館(祝日の場合は翌日)
開館時間:9時〜17時
※入館は16時30分まで
観覧料:一般220円(160円)、高校・大学生160円(110円)、中学生以下無料
※( )内は20人以上の団体料金

◆5館合同連携イベント企画
・都城島津邸、高城郷土資料館、都城歴史資料館の観覧券の半券またはスタンプを押した台紙を提示した人は、団体料金適用
・高校生は夏休み期間の入館料無料
※イベント内容など詳しくは、本号の6・7ページに掲載しています

問い合わせ:都城島津邸
【電話】23-2116