- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県都城市
- 広報紙名 : 広報都城 令和7年8月号
■「枯草丘(かれくさのおか)」
野口徳次作(制作年不詳)
作者の野口徳次(1908-1999)は高城町出身の画家で、1936年に東京美術学校油画科を卒業後、一度は絵画制作から離れて新聞社に入社。終戦後に退職して帰郷した野口は再び絵筆を執り、都城泉ヶ丘高校などで美術教諭を務め、教え子として多くの芸術家を世に送り出しました。また、市立美術館の開館準備にも携わり、初代館長を務めるなど、本市の文化芸術発展の礎を築きました。
本作は、戦後比較的早い時期の作品とされるもので、野口の持ち味である透き通るような明るい色彩で描かれています。輪郭を力強い線で捉え、地形を多面体のように表した描写は、野口が心酔していたピカソの表現にも通じるようです。
※本作は、8月17日(日)まで開催の収蔵作品展夏休み企画〈入門〉アートの疑問「くらべる美術」に展示中
問い合わせ:市立美術館
【電話】25-1447