- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県都城市
- 広報紙名 : 広報都城 令和7年8月号
■標札
戦時中、家族が出征することになった家の玄関には、標札が掲げられていました。標札は、その家に御国のために戦う家族がいることを示すもので、名誉の象徴でもありました。本資料の表面には、日の丸の旗のような絵と「出征軍人の家 都城市」という文字が記されていて、裏面には出征者の兄弟が記したとされる出征者本人の入営日の日付などが確認できます。地域によって表現はさまざまで、「出征」や「現役軍人」、「出動軍人」などと記された標札もあります。さらに、本資料には「都城市」と記されていることから、出征は郷土にとっても名誉あることだという強い意味が込められていることがうかがえます。また、戦死した家族がいる家には、そのことを知らせる標札も掲げられていました。
標札を掲げる家は家人の出征などで労力が不足していたことから、青年団や婦人会が勤労奉仕として農作業の手助けなどを行っていた記録が全国各地に残っていて、本市でも同様の状況だったことが推察できます。
※本資料は、11月9日(日)まで開催中の都城歴史資料館特別展で展示中
問い合わせ:文化財課
【電話】23-9547