- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県出水市
- 広報紙名 : 広報いずみ 7月号(2025年7月1日発行)
突然ですが、質問です。
あなたが考える「こども食堂」とはどのような場所ですか。
「満足にご飯を食べることができない子どもたちが集まる場所?」
確かに、こども食堂はこのような子どもたちの支援のために誕生しました。
しかし、こども食堂のカタチはこれだけではありません。
知ってください、こども食堂のことを。
私たちが考えるよりも、ひらけた場所であることを。
■簡単解説 こども食堂
環境編/基本and誤解編/支援編
◆環境編
IZUMI CITY
こども家庭センター センター長
松下修二さん
情報社会の広がりや地域コミュニティの変化等により地域とのつながりが少なくなり、子育てに関する悩みを一人で抱える保護者が全国的に増えています。また、出水市も同様の状況にあり、子育てに関する相談内容も多様化・複雑化し、相談者数も増加傾向にあります。保護者が子育てに関して家庭内だけで抱え込み、孤立してしまうと、次に心配されるのはその家庭の子どもの孤立です。相談できる選択肢が少ない子どもたちは、安心できる“居場所”がなくなると人間関係や学校生活など多方面に影響が出てしまいます。この課題解消につながる取り組みとして、今注目されているのが『居場所づくり』です。学校や家庭以外の、安心できる場所、地域とつながる場所の存在は、子どもたちの心を支え、孤立防止につながります。私たちの身近な居場所の一つ、それが『こども食堂』です。
◇子育てに関する相談件数
[各年度延べ件数]
学校・家族関係など、多種多様な相談が多く寄せられています
[出水市安心サポートセンター集計分]
◆基本and誤解編
閉鎖的な場所ではない
2012年に東京で誕生したこども食堂は、子どもを中心に地域で暮らす人たちに無料または低額で食事を提供する場所です。現在では全国に10,000か所以上あり、そのほとんどが地域のボランティアが主体となって運営しています。全国で広がり続けるこども食堂ですが、多くの方の中で今もなお、誤解が解けていません。それは、「満足にご飯を食べることができない子どもたちが集まる場所」というイメージです。そのような子どもたちだけが行く場所、行ける場所だと勝手に思い込んでいるのです。こども食堂はそのような閉鎖的な場所ではなく、老若男女関係なく、どなたでも利用することができる場所です。運営者の想いは、子どもたちだけに向いているのではなく、子どもたちを含む地域全体に向いています。本当に食事が必要な人に届けるためには、利用しやすいひらけた場所であることが大切です。こども食堂は、みんなの居場所なのです。
◆支援編
想いのバトンが受け継がれる 地域や企業からの支援
無料または低額での食事提供を実現するには、地域の方々や企業からの支援が欠かせません。「私たちには食材を提供することしかできません。しかし、少しでも力になれるなら協力させてください。」支援者の想いのバトンは、運営者が受け継ぎ、子どもたちや地域の皆さんへつながります。運営者と支援者の想いが詰まった食事は、お腹だけでなく心も満たしてくれます。
◆支援者
・マルイ農業協同組合[鶏卵・鶏肉]
・鹿児島いずみ農業協同組合[野菜・果物]
・地域の方々[野菜・米など]
この他にも市外企業などから様々な支援が行われています。