- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県志布志市
- 広報紙名 : 市報しぶし 2025年6月号
■進む多文化共生の取組
急増する外国人と、ともに文化を認め合い、地域の住民同士、対等な関係で暮らしていくためのアクションはさまざまなところで起きています。
志布志みなとロータリークラブでは、年1回の外国人居住者のつどいを定着化させています。(この取組は次のページにて紹介しています)
また、教育委員会生涯学習課は、初の試みとなる国際交流イベントを7月25日に予定しています。
このイベントでは、市内の小・中学生と地域住民、外国人実習生、外国人実習生を雇用する企業従業員が互いを知り、理解するきっかけづくりを行います。通山校区コミュニティ協議会とサンキョーミート株式会社の協力もあり、はじめの一歩を踏み出そうとしています。
コミュニティ推進課は、市役所を訪れる外国人への行政サービスの充実を目的に、今年度中に多言語翻訳アプリを導入予定です。
透明なディスプレイをはさんで会話することで、窓口を訪れた外国人が話した内容が、職員側にすぐに日本語で表示され、職員が話した言葉がすぐに相手の話した言語に翻訳され、相手側で表示される仕組みで、円滑で細やかな窓口、相談業務につながります。
また、総合政策課では、日本語で作成した冊子(広報紙やパンフレットなど)をデジタル化して、スマートフォンやタブレットなどで多言語で配信できる情報発信ツールの導入を予定しています。
これらの導入により、窓口・オンライン、いずれも充実した行政サービスの提供を実現させることで、外国人も暮らしやすい地域環境の整備を進めています。
■「楽しく学び交流」の先に
6月1日、市健康ふれあいプラザにて、志布志みなとロータリークラブ(黒木弘会長)主催の外国人居住者のつどいが開催されました。
この日参加した外国人は、2事業所から計21人で、出身国はフィリピンとベトナム、ラオスでした。参加者は、無料のピロリ菌検査を受けた後、茶道を体験しました。志布志茶道同好会の3人の協力により、お茶のたて方・飲み方、和菓子(練り切り)の食べ方の作法を学んでいました。
初めての経験に驚きの声があがり、動画を撮影しSNSで発信するなど会場は大盛況。昼食も一緒に食べ、にぎわう交流の場となりました。
この取組について、濵﨑喜與志国際奉仕委員長は「3年連続の取組。昨年まではピロリ菌検査とバーベキューだったが、今回は体験コンテンツにも取り組んだ。外国人の方々にこの地域での生活を楽しんでいただき、地域の関係人口拡大、将来的な人口増につながるよう、今後も国際交流を継続していきたい」と話しました。
外国人参加者に取材したところ、「今後も参加したい」、「もっと日本のことを知りたい」「日本語をもっと勉強したい」との意見が次々出てきました。
この日は、市内にてボランティアで日本語教育を行っている上村昌弘さん(志布志町帖)も参加していました。
上村さんは市内企業の依頼を受け、月2回合計3時間の日本語教室を開催しています。「外国人は増加の一途だが、地域で外国人に日本語を教える人材は増えていない。私にはできないと勝手に思い込んでいる方も多いのでは。まずは一度今回のような交流会への参加や、地域に住む外国人の方と気軽にコミュニケーションを取ってみると楽しくなると思う。」と話しました。
外国人居住者が増加を続ける今、同じ地域に住む私たちの関わり方も問われているのではないでしょうか。
「英語が話せないから交流できないんじゃないか」、「鹿児島弁が伝わらないかも」、「私には関係のないこと」。
そんなことはありません。今、地域で起きていることを自分ごととしてとらえ、一歩踏み出してみませんか?
その歩みの先には、「ともに暮らしやすい地域」が広がり、明るい声が飛び交い、笑顔の市民であふれているはずです。
■2025/06/01交流の証
市健康ふれあいプラザにて
外国人参加者
2事業所21名
▽外国人参加者のこえ
・自分でつくったお茶は美味しかった!
・ペットボトルのお茶とは全然違う!
・着物が素敵!