- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県伊佐市
- 広報紙名 : 広報いさ 2025年4月1日号
◆2 主要施策等の概要(続き)
◇(基本目標6)安全、安心な住みよいまち
公共交通については、高齢化、過疎化が進む中、地域基盤としての重要性が高まっています。地域公共交通利便増進実施計画をもとに、さらなる利用促進を図りつつ、引き続き持続可能な交通体系について研鑽を積んでまいります。
また、市内交通事業者と連携し、乗務員の確保や経営状況改善等について継続的な協議を行い、公共交通の供給体制の確保に努めてまいります。
公共インフラについては、頻発する大規模災害からの教訓を受けて「防災・減災、国土強靭化」への対策がますます重要となっています。道路や橋梁、河川環境については、国や県、関係団体と一体となり計画的に必要な補修・整備を進め、気候変動による気象災害や環境の変化に伴う影響を最小限に止めるよう、適切な安全管理と被害防止に努めるとともに、長寿命化計画に基づき公共インフラの安全性の確保を引き続き図ってまいります。
環境保全については、全国的な課題となっている適切な管理が行われていない空き家等の対策や合併処理浄化槽への転換の推進に取り組むとともに、ごみ分別の徹底やごみの減量化などについての取組を引き続き推進し、安全で快適に暮らせる良好な生活環境の整備に努めてまいります。
水道事業については、伊佐市水道事業経営戦略に基づき、施設・管路の改築更新や耐震化を進め、公営企業の基本原則を堅持しながら、安全で安心な水の安定供給を図ってまいります。
土地利用については、昨年度に引き続き都市計画マスタープランの策定を進める中で、まちづくりの基本的課題を整理し、具体的なまちづくりの方向性および将来像、将来都市構造、都市計画の基本的な方針について検討してまいります。
また、農地の合理的な利用を図るため「農業振興地域整備計画」を策定し、農業の健全な発展に資する取組を図ってまいります。
防災対策については、避難訓練等により市民の防災意識の高揚を図るとともに、災害等の緊急時は、緊急速報メールやSNS、防災行政無線等による多方面からの通知をいち早く行い、また避難所においては簡易ベッドを配備するなど設備の充実を図り、市民の生命や財産を守ることに努めてまいります。
さらに、非常時における救援物資等の備えを継続して行うとともに、避難時に支援が必要な市民の「個別避難計画」の作成を自治会・地域コミュニティ協議会等と連携して進めてまいります。
また、道路交通法の改正に伴い、規定総重量を超える消防車両を運転できない消防団員について、運転免許取得に要する経費の支援を行うなど消防団員の確保や消防団活動の安定的な運営のための支援を行ってまいります。
防犯対策については、近年、多発している特殊詐欺や消費生活に関する被害の防止のための啓発や相談体制の充実に、引き続き努めてまいります。
交通安全対策については、交通安全キャンペーン等を通して、市民の交通安全意識の高揚を図るとともに、運転に不安を抱える高齢者等の運転免許の自主返納を促す取組の効果検証も行い、交通安全の確保に努めてまいります。
また、ガードレール等の交通安全施設や区画線の整備、通学路の安全対策の強化に計画的に取り組み、安全で安心な暮らしの充実を図ってまいります。
次に、ここまで説明しました事業展開と一体となって取り組む「行財政改革」の概要について、説明申し上げます。
年々、多様化、細分化してきている市民ニーズに対し、機動的な対応をするためには、継続して行財政改革に取り組み、安定的な行政運営を行う必要があります。
官民連携を進めながら、公共施設の効率的な管理運営に努め、社会情勢や行政課題の変化に対応するため、事務事業の見直しや組織機構の見直し等を継続して実施するとともに、地域におけるデジタルデバイド(※7)対策の取組を継続しながら、行政手続のオンライン化など自治体DXに取り組み、市民の利便性の向上を図るとともに、業務の効率化を進め、持続可能な行政運営に努めてまいります。
◆3 最後に
鹿児島県が生んだ偉大な成功者である稲盛和夫先生の著書の中に「私たちはいくつになっても夢を語り、明るい未来の姿を描ける人間でありたい。夢を抱けない人に創造や成功がもたらされることはないし、人間的な成長もない。なぜなら、夢を描き、創意工夫を重ね、ひたむきに努力を重ねていくことを通じて、人格が磨かれていくからだ。その意味で、夢や思いというのは人生のジャンプ台といえよう」とあります。
このことは、人の成長や成功のためだけに当てはまることではなく、行政運営についても同じことが言えます。マイナスな要素だけに着目するのではなく、夢を語り続け、今できることに最善を尽くし、失敗を恐れないチャレンジ精神を持ち続けながら、「夢ある伊佐」を実現するために、精力的に進んでいきたいと思います。
改めて市民のみなさまのご理解とご協力をお願いいたしまして、令和7年度の施政方針といたします。
(※6)ジビエ…
食材となる野生の鳥獣肉のこと
(※7)デジタルデバイド…
すべての人がデジタル化の恩恵を受けることができるよう、デジタル機器に不慣れな人でも
容易に操作できるシステム設計や、スマホ教室の開催といった取り組みを行っていくこと