くらし “生活が止まった一週間”令和5年台風第6号から私たちは何を学んだのか。
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- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県うるま市
- 広報紙名 : 広報うるま 令和7年8月1日号
■令和5年台風第6号が教えてくれたもの
◇正常性バイアス(※注)が働くからこそ
「自分は大丈夫」「今まで何ともなかった」「今度も大丈夫だろう」など、これまでの経験や先入観から、災害の危険を自分ごとと捉えず、対策や避難がおくれることがあります。
台風被害を最小限に抑えるには自分ごととしての「日頃の意識」が大切です‼台風へ必要な“対策”と“行動”を一緒に考えませんか?
※正常性バイアスとは
異常事態に直面した際に、それを正常な範囲内だと錯覚してしまう心理現象のことです。災害時など、危険が迫っている状況でも「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」と思い込んでしまうことがあります。
◇私は大丈夫だろう…本当に大丈夫?過去の教訓から考える
令和5年7月、台風第6号が沖縄県を襲い、本市でも甚大な被害が各地で発生しました。
停電は約3万戸を数え、1週間以上復旧が遅れた地域や、土砂災害・冠水による自動車等の破損、床上浸水など私たちの日常生活は脅かされました。
毎年のようにくる台風。台風への備えと行動の準備はできていますか。
今一度、考えてみませんか。
●被災者インタビュー
特にツラかったのは、停電×断水です。いつもの台風だろうと思っていたので、生活に必要な水が全くありませんでした。1週間の断水中、トイレをギリギリまで我慢しなければいけなかったのは本当に地獄のようでした。また、洗い物を控えるために、カップ麺のみを食べていました。普通の食事ができない1週間は、精神的なダメージが大きかったです。2年が経った今も忘れもしません。
■「備え」+「覚悟」=適切な行動
沖縄には毎年のように台風が襲来します。台風のみならず災害においては「備え」と「覚悟」があって初めて適切な行動をとることができます。
■「備え」ではどんなものが「非常時」に役立つか?
▽防災カバンの中身を見てみる?
Instagram動画にしてみました!
※2次元コードは本紙参照
▽沖縄電力HP停電情報
台風時の停電情報は沖縄電力のHPから情報を取得可能
※2次元コードは本紙参照
◆失敗エピソード
◇冷蔵庫が使えない。スマホも充電切れ。“情報”も“食べ物”も失うとは
台風6号の中、我が家は丸1週間の停電。最初の2日は「なんとかなる」と思っていたのですが、家族全員のスマホも充電が切れて台風情報や停電状況さえ分からず、焦りと不安だけが募る毎日でした。
うるま市 与那城在住 40代男性(4人家族)
↓今はこう備えています!
・携帯モバイルバッテリー2台
・カセットコンロ
・レトルト食品1週間分
・LEDランタン
◇まさか、自分の物干し竿が隣のガラスを割るなんて…
台風前、べランダにあるものは紐で括って、動かないようにしていたつもりでした。しかし、後日、隣の家の窓ガラスが割れていて、驚いたことに原因がうちの「物干し竿」だったんです。すぐに謝罪し、後日、ガラス修理代を負担することに。保険の手続きもあり大変でした。人にケガをさせていたかもと思うと、今でもゾッとします。
うるま市みどり町在住 30代女性(アパート暮らし)
↓あの経験から学んだ3つの教訓!
(1)物干し竿、植木鉢、サンダル…ベランダの“全て”風で飛ぶ可能性あり!
(2)「まあ大丈夫だろう」の油断が人をケガさせるかも
(3)損害が出た場合、“賠償責任”を問われることもある
■「覚悟」“後悔しない選択”は日頃の心がけから生まれます。
いつ起こるか分からない災害は避難の判断を迷わない「覚悟」が必要です。家や車が気になっても“命が最優先”と割り切って早めの避難を選ぶ勇気も必要です。モノはあとから取り戻せても、命は戻りません。