- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道札幌市
- 広報紙名 : 広報さっぽろ 2025年5月号
令和3年から札幌でも始まった人口減少は、私たちの暮らしにさまざまな変化をもたらす可能性があります。このページでは、特に将来的な影響が想定されており、札幌の冬の生活には欠かせない雪対策の課題と、今後に向けた取り組みを紹介します。
・札幌市の人口は減少を続ける見通し
35年後の2060年には、現在よりも38万人ほど人口が減少する見込みです。経済活動を支える15~64歳の減少が著しく、少子高齢化もより進むことが予想され、税収の減少や働き手の不足など、さまざまな影響が懸念されます。
・人口減少によりさまざまな分野に影響が
道路の維持管理・雪対策・公共交通・高齢福祉・上下水道の維持管理
人口が減少する中でも、現在の規模を維持しなければならない市の公共サービスがあります。また、高齢者の人口が増えることで、介護サービスをはじめとする高齢福祉の費用のさらなる増加も見込まれます。
■冬の暮らしに大きな影響を及ぼす雪対策の課題
雪対策の分野では、将来的に以下のような課題が想定されます。
▽従事者の担い手不足、高齢化
従事者のうち、50歳以上の割合が50%を超えており、20年後には多くが退職を迎えます。
▽雪対策費用の増加
税収の減少が見込まれる中、物価や燃料費の高騰などにより、年々増加しています。
・本年度の雪対策の予算
約285億円(過去最大)…市民1世帯当たり約28,000円
▽雪対策の課題は現在も…
・パートナーシップ排雪
住宅街などに面する生活道路の排雪費用を地域と行政が負担し合っていますが、地域での費用の負担感や不公平感が高まっています。
・異常気象への対応
大雪や急な暖気などの時にも、大きな混乱が起きないような除排雪の方法や暮らし方などを検討していく必要があります。
現在抱えている課題や、10~20年先を見据えた長期的な課題に対応する今後の雪対策を考えていくための審議会を、6月ごろに立ち上げます
■持続可能な雪対策を考える審議会
今後も持続可能な雪対策の在り方を考えるために、令和8年中をめどとして、市の雪対策の今後の方向性を整理することを目指します。
構成者:多様な分野の有識者、除雪従事者、公募市民 など
●検討する主な内容
▽除排雪の今後の在り方
・冬の生活や経済活動に支障が出ないような道路の通行幅や路面の状態を、今後も確保していくための除排雪の方法や体制
・将来的に税収の減少が見込まれる中で、年々増加している雪対策費用をどうしていくべきか
▽雪と共生していくために
・人材や機材が限られた中で冬を快適に暮らせるようにするためには、行政、事業者、市民がそれぞれどのような役割を担っていくべきか
・大雪時には外出しない、在宅勤務をするといった、札幌ならではの冬の暮らし方や働き方
●生活道路の除排雪方法の検討を引き続き行います
道路の通行幅や路面の状態などを、一冬を通してどのように効率的に管理していくかを検討するために、除排雪の作業に関する実験を行いました。実験で得たことを基に検証を進めており、今後は審議会で議論しながら、さらなる検討を行っていきます。
実験の内容:令和5、6年度に、一部の地域で除雪や排雪の機械の組み合わせを工夫して除排雪を実施 など
●皆さんと一緒に考えていくために、ご協力をお願いします
▽審議会の市民委員を募集
対象:18歳以上の方2人
申込:区役所、ホームページなどで配布中の応募用紙を、5/23(金)(必着)まで。選考あり
▽雪対策に関するアンケート
回答方法:5/1(木)から、右記コードか区役所、市役所5階未来創生担当課で配布するアンケート用紙を、6/13(金)まで(用紙の提出先は未来創生担当課)
雪対策の今後の方向性は、市民アンケートやミニ・パブリックス(無作為に選ばれた市民同士による議論)なども行い、市民の皆さんと共に検討を進めていきます。検討状況は本誌などで随時お知らせします。
詳細:
〔人口減少、審議会、市民委員募集のことは〕未来創生担当課【電話】211-2338
〔雪対策のことは〕雪対策室計画課【電話】211-2682