健康 在宅医療とそれを支える人々(3)

■〔インタビュー〕在宅医療分野を志す人を教育・養成する学校の方にお話を聞きました
安定的な在宅医療体制を維持するためには、従事する医療職の人数を確保することが今後の大きな課題です。ここでは、旭川市立大学で医療職を教育・養成する教員、資格取得を目指して学ぶ学生の声をお届けします。

▽地域を医療で支える人材の育成を
◎神戸(こうべ)さん 旭川市立大学保健福祉学部保健看護学科助教
本学保健看護学科で学ぶ「地域・在宅看護」は病気や障害を問わず自宅療養される方を「地域で生活する人」と捉え、療養者さんとそのご家族が望む生活を送るための最適な医療や介護を、暮らしの場でどう提供するかを考える分野です。在宅医療や看護は、自治体等が推進する「地域包括ケアシステム」の構成要素のひとつです。療養者さんとそのご家族を地域全体で支えるため、近隣の方や民生委員さん、福祉サービス等を含んだ地域の社会資源を活用することが重要です。
本学では2年次後期から4年次にかけて、知識の修得・演習・実習と段階を踏んで「地域・在宅看護」を学びます。訪問看護師さんの下で行う2週間の実習では、実際の看護を見学・実践させていただきます。ありのままの生活を見せてくださる療養者さんやご家庭ごとに工夫された看護を行う訪問看護師さんの姿から、在宅看護に魅力を感じる学生もいます。看護師を目指す方が在宅看護にも興味を持ってもらえるといいなと思います。

▽貴重な経験を得られる授業と実習
◎新山(にいやま)さん 旭川市立大学保健福祉学部保健看護学科4年生
私は今、在宅看護の授業や実習を受けています。本学には、住宅の一部を模した実習室など実践的に学べる環境があります。演習では、家庭のベッドを想定した洗髪や人工肛門を装着する体験などから、技術を身に付けるだけではなく、何が不快に感じるかなど患者さんの気持ちを学べていると思います。私が考えたケアで患者さんが少しでも状態が良くなることや、笑顔を見せてくださることでやりがいを感じます。一般家庭には医療設備がない分、看護を工夫する必要がありますが、訪問看護師さんがその家庭に合わせて行う看護は素晴らしいと感じますし、自分なりのコミュニケーションを考えるときにも看護師さんの言葉が参考になります。親戚の看護師の方に憧れて目指した道ですが、勉強する中で患者さんの心や、言葉にしづらい感情に寄り添える看護師になりたいと思うようになりました。これから様々な患者さんに合わせて、臨機応変に看護できる看護師になることが目標です。

■大学・専門学校一覧表
在宅医療を支える担い手となり得る医師、看護師等、医療職の受験資格を得られる市内の大学・専門学校の一覧です。入学に関する詳細は、各学校にお問い合わせください。

※詳しくは本紙をご覧ください。

詳細:保健総務課
【電話】25-8339