くらし 家が〝負(ふ)動産(どうさん)〟になる前に(1)

皆さんは自分が住んでいる家や実家など、住まいの将来を考えたことはありますか。
全国的に空き家が増えており、社会問題となっています。それは岩見沢市も例外ではありません。空き家が増えているのは、人口減少や少子高齢化、建築物の老朽化など、さまざまな理由があります。本来、財産である家ですが、適正な管理がされていないと、負の財産となってしまいます。
この機会に、住まいの将来のことを考えてみませんか。

○76.1MHz FM HAMANASU JAPAN
市職員が出演して紹介します
7月11日(金)午後5時40分

■増加する空き家
最近、空き家が増えていると感じませんか。皆さんが感じている通り、岩見沢市の管理不全な状態の空き家は、急激に増加しています。
・岩見沢市の管理不全な空き家の件数

○管理不全な状態とは?
・老朽化や台風、積雪その他の自然災害などによる空き家の倒壊、または空き家に用いられた建築資材などの飛散もしくは剥落により、人の生命、身体または財産に被害を与える恐れのある状態
・空き家などへの不特定の者の侵入により、火災または犯罪が誘発される恐れのある状態
・これらのほか、雑草・樹木の繁茂など、生活環境の保全を著しく阻害する恐れのある状態

■自分には関係ない?
「親はまだ元気だし関係ない」「自分はまだ若いし、こどもがいるから関係ない」と思っていませんか。住んでいる方が亡くなって、そのまま空き家となるケースがあります。
「売却しようか」「賃貸に出そうか」「リフォームして住もうか」など、事前に話し合っておくことで、空き家になるのを避けることができるかもしれません。
〝家〟は財産です。所有者が亡くなれば〝相続〟という問題が発生します。所有者が亡くなったときのことを早めに考えておくことが大切です。
売る:
不動産業者に相談するのが一般的です。業者によって価格が異なることが多いので、複数の不動産業者に査定してもらいましょう。
一定要件を満たす場合、譲渡所得から最大3千万円を特別控除できる特例措置があります。
貸す:
建物はリフォームをしてから賃貸するのが一般的です。不動産業者に相談しましょう。
解体する:
売却・賃貸が困難な場合は、空き家を解体して、土地を売ったり貸したりする方法もあります。
一定の要件を満たし、危険で周囲の環境に悪影響を与える不良空家の除却費用の一部を補助します。

○相続登記申請の義務化(令和6年4月1日から)
不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務付けられました。
令和6年4月1日以前に相続登記がされていないものも、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。
詳しくは、法務省ホームページをご確認ください。

◆空き家の放置は危険!
空き家が抱えるリスクとして、次のようなものが挙げられます。
・自然災害による破損や倒壊
・小動物の侵入や蜂などの発生
・ごみの不法投棄や悪臭の発生
・不法侵入や放火などの犯罪の誘発
・草木や雑草の越境
・生い茂った立木が電線に掛かることによる漏電や停電
・隣家や道路への落雪
このように、空き家を放置すると、近隣住民の生活に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
空き家が原因で近隣住民や通行人に損害を与えた場合は、その責任を問われることもあります。損害賠償額が数千万円から数億円と、非常に高額になるケースも想定されるので、所有者はしっかりと管理する必要があります。

市は、空き家の状態を確認するため定期的にパトロールを行っていますが、地域の皆さんの生活に影響を与えるような空き家がある場合は、市民連携室市民連携係へ通報してください