くらし 市政に臨む基本方針および市政方針(1)

第12回市議会定例会で、金澤市長は市政に臨む基本方針および市政方針、予算案を示しました。
市政方針では、“万里一空”の精神で、たゆまぬ努力と挑戦を続け、多くの方から“選ばれるまち苫小牧”を実現する強い決意を表明しました。

苫小牧市長 金澤 俊(かなざわ すぐる)

■市政に臨む基本方針
◇はじめに
(1)市政への想い
私は、“のびゆく苫小牧!選ばれるまち苫小牧へ!”をスローガンに、7つのビジョンと34項目91の公約を掲げ、市長選挙に臨みました。選挙戦を通じて、市民の皆さまからご支援や温かいお言葉をいただき、寄せられた期待の大きさ、課せられた責任の重大さを改めて実感しております。この期待に確実にお応えするため、目の前に立ちはだかる様々な課題に対して全力で挑み、市民の皆さま、そして未来を担う子どもたちや孫の世代が安心して生活を送れるよう各種施策に取り組み、道を切り拓いてまいります。

(2)時代認識
政府は、急速に加速する人口減少問題に対して、“地方創生2.0”を起動し、誰もが安心して住み続けられる地方の構築を進めることとしております。
本市においては、昨年、社会動態はプラスに転じたものの、令和3年まで1,000人台を維持していた出生数が700人台になるなど、自然動態の減少が加速しております。いかに自然動態の減少に歯止めをかけ、社会動態の増加を図るかが、喫緊の課題と認識をしております。
また、人口減少とそれに伴う経済活動の縮小は税収にも影響を及ぼすものであり、これまで以上に厳しい予算編成と効率的な執行が想定される中、財政の健全性を維持しながら、様々な社会経済情勢や市民ニーズに対応できる財政基盤を確立していく必要があります。
一方で、半導体企業の立地や大規模データセンターの進出を契機に、経済界には明るい兆しが見えるなど、本市を取り巻く環境は大きな転換期にあります。
また、近年、気候変動問題への関心が世界的に高まりを見せる中、脱炭素に取り組む企業が急速に拡大しており、CCUSをはじめとする先駆的なGX施策を複数実施している本市は、企業から高い注目を集めております。
さらに、10年の時を経て動き出した駅前再開発は、活力あるまちづくりを進める上で、大きな推進力になるものと考えております。

(3)まちづくりの姿勢
新しい苫小牧を切り拓き、持続的な発展を目指す上において、まずは未来を担う子どもたちの笑顔を守ることが重要です。
子どもたちの笑顔は、市民の幸せやシビックプライドの醸成につながります。また、子どもたちへの投資は、少子高齢化の時代において、社会保障の持続性を高め、高齢者や障がいを持つ方を含めたすべての市民生活の安心につながり、ひいてはまち全体の魅力を向上させるものと捉えております。
子育て支援策の更なる充実、教育環境の整備など、“子どもど真ん中のまち”の実現にチャレンジしてまいります。
また、産業都市として発展を続ける本市におきましては、海と空のダブルポートを擁する地理的優位性を含め、更なる経済発展、つまりは“のびゆく”ポテンシャルを秘めたまちであると確信しております。
昨今の追い風を逃すことなく、民間投資を呼び込み、“経済発展を最大化”することにより、雇用を生み、人口減少に歯止めをかけてまいる所存です。
いずれにしましても、人口減少を食い止めるためには、希望や魅力があふれる“選ばれるまち”を目指す必要があるものと捉えております。
苫小牧の「顔」となる駅前の再開発はもとより、ゼロカーボンやスマートシティの推進、公共交通網の整備など、あらゆる分野においてまちの魅力を高める取組を模索し、これを実行に移すとともに、その魅力を効果的に発信することにより、“選ばれるまち苫小牧”を実現してまいります。
その手段の一つとして、年度ごとにテーマを定め、1年を通して集中的にチャレンジする“選ばれるまちプロジェクト”を、略称“まちプロ”として展開してまいります。

◇基本政策
(1)子どもど真ん中のまち 苫小牧
・子育て支援策を拡充します
・子育て機能の拠点を形成します
・子ども若者のメンタルヘルスケアを推進します
・ヤングケアラー支援体制を強化します
・医療的ケア児への支援体制を強化します

(2)経済発展最大化のまち 苫小牧
・苫小牧ブランドの発信により関係人口の増加を図ります
・企業誘致のトップセールスとアプローチ体制を強化します
・既存企業へのフォローアップを強化します
・人手不足対策と多文化共生の推進を強化します
・世界から選ばれる苫小牧港を目指して機能を強化します