- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道富良野市
- 広報紙名 : 広報ふらの 2025年7月号 No.766
◆根室本線対策協議会とは
昭和56年、石勝線の開通に伴う特急の廃止を機に、滝川市・赤平市・芦別市・富良野市・南富良野町の5自治体で発足した組織で、根室線の利用促進や魅力発信活動を展開しています。
発足以降、一部区間の存廃問題に伴い、いくつかの自治体の加盟や退会を経て、現在は滝川市・赤平市・芦別市・富良野市の4自治体の構成により活動しています。
◆根室線(滝川~富良野間)について
平成28年にJR北海道が「当社単独では維持することが困難な線区」を公表し、根室線は2つの線区に色分けされました。滝川~富良野間は利用密度が200人以上2000人未満の黄色線区、富良野~新得間は200人未満の赤線区に指定され、このうち赤線区とされた富良野~新得間は、令和6年3月31日の運行を最後に鉄道事業が廃止され、現在は代替交通としてバスが運行されています。
令和6年3月15日には、国から二度目となる監督命令がJR北海道に発出され、令和8年度末までに事業の抜本的改善方策を確実に取りまとめるよう求められています。黄色線区として現在も運行を継続している滝川~富良野間を存続させるには、JR北海道の徹底的な経営努力を前提に、JR北海道が地域と協力して、さらなる利用促進などによる収支改善に可能な限り取り組んでいかなければなりません。
■令和7年度の協議会の取り組み
令和8年度末までに抜本的な改善方策を取りまとめるにあたり、さまざまな可能性を検証するため、いくつかの調査実証事業を実施します。令和7年度の事業予定は次のとおりです。
◇根室線周遊ラリー
有効期間内の一日散歩きっぷもしくはラベンダーフリーパスを提示すると、滝川市、赤平市、芦別市、富良野市を運行している一部の路線バスに無料で乗車できる取り組みを展開します。
また、いずれかのきっぷを対象施設で提示すると、利用者限定のグッズがもらえます。限定グッズは8種類。
ラベンダーフリーパスは富良野駅などで購入できますので、地元の方々もぜひこの機会にJRをご利用ください。なお一日散歩きっぷは札幌近郊でのみ購入できます。
期間:8月頃~10月まで(予定)
対象:
・滝川市 美術自然史館、こども科学館
・赤平市 炭鉱遺産ガイダンス施設、AKABIRAベース
・芦別市 星の降る里百年記念館、道の駅「スタープラザ芦別」
・富良野市 富良野市博物館、ふらのワイナリー
◇通勤定期券モニター事業
普段JR以外の方法で通勤されている方を対象にモニターを募集し、対象区間の1カ月定期券を配布し、JRでの通勤を体験してもらう事業です。
利用者にはアンケートにご協力いただきます。徒歩と組み合わせることで、健康づくりにもつながりますので、この機会にJRでの通勤を体験してみませんか。
期間:8月1日(金)~12月31日(水)
※募集期間は7月1日(火)~を予定
◇技能実習生への利用促進
各地域に多くの技能実習生が滞在していますが、多くの方が自動車などの移動手段を持っていません。そうした方々が買い物やレジャーで鉄道を利用していただけるよう、事業を展開します。
ラベンダーフリーパスを購入することで、沿線の一部の路線バスを無料で利用でき、対象施設できっぷを提示することで、特典が受けられます。
期間:8月頃~10月まで(予定)
対象:
・滝川市 江部乙温泉
・赤平市 エルム高原温泉ゆったり
・芦別市 芦別温泉スターライトホテル
・富良野市 新富良野プリンスホテル「紫彩の湯」
平成28年に黄色線区に指定された、全道の8線区は現在、すべて赤字運行で、その存廃について予断を許さない状況です。もしも廃止された場合は代替の交通手段が必要になりますが、昨今の運転手不足等により、十分な輸送力を確保できず、利便性が大きく損なわれる可能性も否定できません。
そのような事態を防ぐには、1人でも多くの方に鉄道をご利用いただくことが重要になります。根室線沿線に住む全ての方が年に1回でもJRを利用していただければ、路線維持の可能性が大きく広がります。
改めて、「乗って守ろう根室線」を合言葉に、JRをご利用いただけますようにご協力お願いします。