くらし UPDATE!!地域おこし協力隊(revitalize the community)

今月の担当:山本 修(商工観光推進員)

■年の始まりと年度の始まり
年の始まり1月1日と、年度の始まり4月1日、天文学と関係があるのはどちらでしょうか?
まず「年度」とは、特定の目的を持って定められた12ヵ月間のことを示し、年度の始まりは、天文学とは全く関係なく決められています。
日本では、会計年度の始まりも学校年度の始まりも4月1日ですが、国によって異なります。例えばイギリスの会計年度の始まりは4月ですが、学校年度の始まりは9月です。つまり、目的に応じて定められた1年間の始まりが年度始めということになり天文学とは無関係です。
では、年の始まり1月1日はどうでしょう。もともと古代ローマでは1年の始まりの月は、Martius(英語:March/日本:3月)で春だったようです(農耕季を基準に決められていた)。その後、lanuarius(1月)とFeburarius(2月)が加わり1年の始まりが冬になりました。
現在、私たちが使っている暦はグレゴリオ暦と呼ばれ、古代ローマの暦が時を経て変更されてできたものです。グレゴリオ暦に改暦されたのは西暦1582年で、春分の日が3月21日ごろになるように調整されました。そして、その時に1月1日を新年の始まりとしました。日本でグレゴリオ暦が導入されたのは1873年で、日本においてはこの時から現在の1月1日が1年の最初の日になりました。最初は季節を基に天文学と少しは関係がある年の初めだったのですが、現在では天文学的には何の意味もない日になってしまいました。
とはいえ、正確な季節を知るためには天文学の発達が不可欠だったことに違いはありません。村に天文台が建設されたのを契機に、少しでも天文学や暦に興味を持って頂ければ幸いです。