- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道福島町
- 広報紙名 : 広報ふくしま 令和7年4月号 No.821
3 福祉・医療が充実し、互いを認め合えるまちづくり
かつて我が国では、家族同士の助け合いや地域における相互扶助により人々の暮らしが支えられてきました。
しかし、今、日本全体が人口減少時代を迎え、急激な少子・高齢化の到来により、これまで経験したことのない急激な時代の変化とともに、住民相互の繋がりが希薄化し、地域を取り巻く環境が大きく変化してきております。
地域における多様な課題や支援のニーズに的確に対応していくためには、高齢、障がいといった分野を超えて、地域住民が主体的に地域の課題などを「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて繋がることで、住民1人ひとりの暮らしと生きがいを大切にし、地域を共に創っていく共生社会を目指すことが必要であります。
私たちは、こうした「地域共生社会」の実現に向けて、「第4期福島町地域福祉計画」の理念である1人ひとりの笑顔でつくる「健康福祉」、地域の支え合いでつくる「協働福祉」、思いやりの心でつくる「安心福祉」の3つの基本方針を掲げ、住民相互の助け合い・支え合い活動で“きづな”を深め、まちを“元気”にする福祉のまちづくりを目指してまいります。
我が国の高齢化率は、先進諸国の中でも平成17年に最も高い水準となり、今後も高い水準が続くと見込まれております。当町の令和7年1月末における高齢化率は、51.34%と2人に1人以上が高齢者という超高齢化社会に突入しております。
生産年齢人口が減少する中、町の活力を維持していくためには高齢者を含めた町民全てが意欲と能力に応じ、まちづくりに参加できる社会を実現する必要があります。
とりわけ高齢者にあっては、長年、町の発展のために寄与された方々が、生きがいを持ちながら健康で安心して生活が送れる地域を目指して、介護予防・生活支援・健康づくり・生きがいづくりなど、総合的な取り組みを引き続き実施し、住み慣れた地域で自立した生活が確保され、社会参加が促されるよう支援してまいります。
地域において、町民が社会福祉活動を推進するには、社会福祉協議会が大切な役割を担っており、地域に欠くことができない組織となっております。
町は、福祉のまちづくりにおける福祉サービスや相談活動など、さまざまな場面で地域福祉の一翼を担っている社会福祉協議会の継続的な維持が重要と考えております。
このことから、引き続き安定的な財政運営が図られるよう支援してまいります。
温泉健康保養センターについては、昨年4月のグランドオープン以来、多くの方々にご来場していただき、令和7年1月末日現在の入館者は57,051人に達しており、すでに現時点で令和5年度の入館者数を上回っております。
今後も引き続き、利用者の方々に快適な癒しを提供できるよう利用者のサービス向上を図るとともに、適切な維持管理運営に努めてまいります。
なお、木質バイオマスボイラーの燃料となる木質チップは、現在、隣町から調達しておりますが、町内での供給体制が整いましたので、今年度から町内産チップに切り替えてまいります。
介護保険事業については、「福島町第9期介護保険事業計画」に基づき、高齢者が介護または介護予防などの良質なサービスを確実に利用できるよう、保険者と介護サービス事業者の連携を強化し、計画の着実な実行を図ってまいります。
障がい者福祉については、「第1期福島町障がい福祉プラン」に基づき、障がいのある方が地域において必要な障がい福祉サービスや相談支援などが計画的に提供されるよう努めてまいります。
国民健康保険事業については、広域化に伴う令和12年度の保険料統一に向け北海道国民健康保険運営方針に基づき税率の改正を行ってきております。
しかし、これまでは高齢加入者などの急激な負担増を抑えるため均等割および平等割において上げ幅の半分の税率としてきたところです。
この度、北海道から令和7年度の標準保険税率が示されたことから、町では、国民健康保険運営協議会に諮問し、議論いただいた結果、標準保険税率と同一の税率にすべきとの答申をいただき、令和7年度から標準税率と同一の税率に改正するものであります。
なお、引き続き、令和12年度の全道広域化の本実施に向け適正な運営に努めてまいります。
後期高齢者医療事業については、全ての高齢者の皆さまが安心して必要な医療が受けられるよう、北海道後期高齢者医療広域連合と連携を図りながら、円滑な制度の運用に努めてまいります。
生活習慣病は、今や健康寿命の最大阻害要因になるだけではなく、医療費にも大きな影響を与えている状況となっています。これらの多くは、食事や運動をはじめとする生活習慣が深く関与しており、日常生活での適度な運動やバランスの取れた食事、禁煙を実践することによって予防することができるとされています。
これまで、当町においては、生活習慣病対策として早期発見・早期治療により重症化を防ぎ、生活習慣の改善による予防を中心に取り組みを進めてまいりました。
今後も引き続き、特定健診による予防医療をはじめ、食生活の見直し、適度な運動の実践などを推進し、生活習慣病の抑制に努めてまいります。
がんの発生は生活習慣と深い関りがあるといわれており、がんに罹患するリスクを低減するためには現在の生活習慣を見直すことが重要となってきます。
「福島町がんなんかに負けない基本条例」を推進し、「喫煙」、「飲酒」、「食事」、「身体活動」、「体形」、「感染」の6項目についての予防策を実践する一方で、町立診療所および町内医療機関と連携を図りながら効果的な啓発活動を展開してまいります。がんの検診率の向上には自主的な受診意識の高揚が大切であり、個別勧奨や再勧奨などの普及啓発に積極的に取り組み、がん検診率の向上を図るなど町民1人ひとりの健康寿命の延伸を目指してまいります。
これまでの研究から、喫煙することで肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となることが、科学的にも明らかになっております。
また、たばこを吸わない方でも家族や周囲の方が吸うことで、受動喫煙による肺がんの原因となることが明らかになっております。
がんを予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的であることから、引き続き町内会館なども含めた公共施設の敷地内禁煙に取り組み、啓発活動を中心に町全体で受動喫煙防止活動の強化を図ってまいります。
やまゆりクリニックについては、開業から7年が経過し、一次医療を担う医療機関として、着実に町民へ浸透してきております。
今後も、安心して医療を受けられるような体制を図りながら、経営の健全化を目指してまいります。
また、町内の関係機関とも協力しながら、高齢者の地域ケアの推進に取り組むとともに、各種がん検診に加え、特定健診の個別受診などの積極的な勧奨に努め、町民の健康増進に取り組んでまいります。