健康 ドクター河合の ひとくち健康メモ vol.32

◆心臓と不整脈のおはなし
みなさんこんにちは。今回は心臓と不整脈についてお話しようと思います。
ご存知の通り、心臓は全身の臓器に血液を送り出し、各臓器に栄養と酸素を運ぶポンプの役割を果たします。そのポンプ機能が正常に働かなくなるとさまざまな症状が出現します。心臓の規則正しい拍動は、心臓内の洞結節と呼ばれる部位から電気信号が送られ、刺激電動系と呼ばれる電気の通り道を通って心臓全体にいきわたります。その心臓の電気信号が正常なリズムで発生しなくなったり、正規の伝達路で伝達されなくなったときに、その結果として心臓の拍動が不規則になり、不整脈と呼ばれる状態になります。

◇不整脈について
不整脈による自覚症状の程度もさまざまで、日常生活に差し支えがある場合もありますし、全く無症状のこともあり、健康診断で初めて指摘されるような場合もあります。
心拍が正常よりも極端に多くなるタイプの不整脈では、動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れることが多く、心拍が正常よりも極端に少なくなるタイプの不整脈では、めまいやふらつき、倦怠感などの症状が現れることが多いです。ほとんどの不整脈は治療の必要が無い場合が多いですが、中には不整脈により血圧が低下して意識消失やショックを起こすような、突然死につながる危険性のある不整脈もあります。このような場合は早期の治療が必要となります。

◇心房細動について
その中でも最も頻度の多い不整脈は心房細動です。心房細動は、洞結節から電気信号が発生するのではなく、肺静脈から発生する異常な電気信号が脈を乱れさせる原因となっています。心房細動が起きると、心房の中で血液が滞留しやすく、血液が凝固して血の塊になる可能性が高まります。この血の塊が頭の動脈を塞いで脳梗塞を引き起こすことがあります。また、心房細動により心臓に負担がかかり続けることから、心房細動は心不全の原因にもなります。
不整脈の原因は心臓疾患だけではなく、高血圧や肺に疾患のある人、甲状腺異常のある人なども、不整脈が出やすい傾向がみられます。また、病気とは関係なく、加齢や体質、疲労やストレスの蓄積、睡眠不足などが原因になることもあります。日常生活に気を付けて乱れの無い生活を送りましょう。

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