くらし 花のまち随想

東神楽町長 山本進

今年は夏が長く続き、気づけば秋も終盤。そろそろ冬の気配を感じます。寒さに加えてインフルエンザの流行も始まっています。感染予防と体調管理には、どうか十分ご留意ください。
9月の第3回町議会定例会で、「東神楽町地域まちづくり条例」が可決されました。本条例は、地域コミュニティ活性化の理念を明らかにし、地域自治組織での活動に住民参加が進むことを目指すとともに、地域住民・地域自治組織・町など関係するすべての主体が力を合わせ、誰もが安心して豊かに暮らせる地域社会を実現するための枠組みです。
令和5年から、住民代表や公募委員らで構成する策定委員会が時間をかけて検討を重ね、住民説明会やパブリックコメントを経て、議会の議決を得たものです。各地でも町内会の活性化を掲げた条例はありますが、東神楽町の条例は、現行のコミュニティの実態を踏まえ、町内会や行政区に限らず多様な地域コミュニティ組織を対象に位置づけています。とりわけ、地区公民館を明確に位置づけた点は、全国的にも初の試みではないかと思います。
東神楽町では、もともと地区公民館の活動が盛んで、自主的な事業を展開しながら住民同士の交流を育んできました。公民館は社会教育の拠点であり、社会教育とは社会教育法で「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年および成人に対して行われる組織的な教育活動」とされています。本町では、学びの場にとどまらず、地域のさまざまな行事や催しも担っており、こうした取り組みが住民参加を促し、満足感や幸福感につながっているのではないかと感じています。受け身ではなく主体的に参加することが、これからの地域にとって必要なことだと思っています。その価値をさらに促進できるような政策も今後検討していきたいと思っています。
話は変わりますが、9月に東神楽町上下水道料金審議会から、上下水道料金の改定に関する答申を受けました。現在、上下水道の各会計には一般会計から多額の繰入金が投入されています。こうした状況や近隣市町村との料金水準の比較などを踏まえ、上下水道料金と、これに関連する合併浄化槽・し尿処理料などの改定をしなければならないと考えております。11月下旬に説明会の開催も予定していますので、よろしくお願いします。