- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道苫前町
- 広報紙名 : 広報とままえ 令和7年9月号
7月9日、札幌市内にて「令和7年度北海道マリンビジョン促進期成会総会」が開催された。
■北海道マリンビジョンとは
北海道がこれから先も、日本の水産物の供給拠点であり続けられるように、地域の資源をうまく活用しながら、様々な人や団体が協力し、元気な水産業や漁村を目指していくためのビジョンをまとめた長期的な計画のこと。
■北海道マリンビジョンコンテスト2024
期成会では、地域ごとに策定された「地域マリンビジョン」の実現に向けて、特に優れた取り組みを表彰する「北海道マリンビジョンコンテスト」の表彰式も行われ、苫前地域マリンビジョン協議会が優良賞を受賞し、会長である福士町長へ賞状が授与された。
また、町の担当職員が実際に取り組んでいる内容について事例報告を行った。
■受賞した取り組みの概要
苫前地域では、漁港をより有効活用し、漁業者の収入の安定や働ける年齢の延長などを目指して、令和5年から漁港内の穏やかな海域を使ったウニの畜養・養殖の実証実験を行っている。この取り組みと並行して、ウニの餌となるコンブの養殖も行い、味や色などの品質についての試験も行っている。
畜養ウニは、漁業者の所得向上のほか、地域内外の方を対象とした地産地消に繋げるため「とままえ温泉ふわっと」や直売所「よってけ屋」で提供する予定。
現在はまだ実証段階だが、漁港内の静かな海をうまく活用し、継続的なモニタリングもしっかり行っている点が評価され、今後の新しい海業に関して展開も期待が寄せられることから今回の優良賞に選ばれた。
■苫前漁港の整備事業について
国直轄漁港である苫前漁港(第3種)では、流通体制の効率化及び漁港環境の改善を図るため、水産庁へ整備要望を継続してきており令和6年度にて新たな整備計画が事業化された。
この整備事業では、令和6年度から令和15年度の10年間において、総事業費96.5億円となる整備が全額国費で実施され、北護岸の沖側に埠頭を整備し、畜養養殖拠点としての機能向上を図るほか、新規着業者による船外機船の利用が増加していることから、海水面からの高さを低くした岸壁を整備する。
天然資源減少への対策として、また新たな生産活動の場を創出する海業の取り組みとして、ウニやナマコ、タコなどの畜養を進めている。あわせて、町の脱炭素にもつながる取り組みとして、ウニの餌料用コンブの養殖試験も実施している。