くらし 友好関係を次の世代に! 岩手県軽米町と姉妹締結40周年を迎えます
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- 自治体名 : 北海道音更町
- 広報紙名 : 広報おとふけ 令和7年11月号
昭和60年10月31日、岩手県軽米町と音更町は姉妹締結をしました。今年は締結40周年を迎える節目の年です。両町の締結の始まりや概要、今年度の交流などをお伝えします。
■締結の始まり
◇縁をつないだ「大川宇八郎」
音更町は、岩手県軽米町出身の商人、大川宇八郎が、明治13年にこの地に定住したことから歴史が始まりました。このことが縁で今から40年前の昭和60年、当時軽米町が周辺町村と合併して30周年を迎えたことを契機に、音更町へ「姉妹提携」の申し入れがありました。お互いに表敬訪問を重ね、懇談していくことで理解と認識を深め、音更町議会は「産業、経済、教育、文化の交流を通して友好親善を深める」こととして、姉妹提携を全会一致で承認しました。昭和60年10月31日に軽米町農村環境改善センターで行われた姉妹締結式では、2通の「盟約書」に両町長が署名・押印をし、互いに握手。会場の割れんばかりの拍手とともに、新たな1ページが刻まれました。
■両町の概要
◇軽米町
昭和30年に軽米町・小軽米(こがるまい)村・晴山(はれやま)村が合併し、今年70年を迎えました。町名の由来は、平安時代、勢力を誇示していた「宇漢米(うかめ)」氏を語源とする説とアイヌ語の「カル・オ・マイ(物の豊かな所)」の説があります。周辺を標高600メートル前後の低い山に囲まれた北上山地の丘陵地帯で、総面積の約80%が山林原野です。農業を基幹産業とし、水稲やホップなどが主要作物で、近年は養豚・ブロイラーも盛んです。
面積:245.82平方キロメートル
最高気温(2018.8.23):36.2℃
最低気温(1978.2.17):-23.0℃
町花:こぶし
町木:イチイ
人口(2025.9月末):7,718人
◇音更町
町名は、アイヌ語のオトプケ(毛髪が生ずる)を由来とし、音更川と然別(しかりべつ)川の支流がたくさん流れているところからついたと言われています。各種農産物の育成に適していて、道内でも屈指の穀倉地帯となっており、小麦、ビート、ジャガイモ、豆類などが主要作物で、酪農も盛んです。
面積:466.02平方キロメートル
最高気温(2025.7.24):38.2℃
最低気温(2001.1.27):-32.1℃
町花:スズラン
町木:白樺
人口(2025.9月末):42,408人
■軽米と音更をつないだ先駆者「大川宇八郎」を知ろう!
安政2(1855)年2月22日、岩手県九戸郡軽米村大字軽米で父・永八の長男として生まれた宇八郎は、家業の酒蔵を手伝っていましたが、経営がうまくいかず、単身で北海道に渡りました。明治11年の夏、動物の皮を塩や油などと交換する商売をするために日高から帯広に到着。アイヌの人々と交換した鹿や熊などの皮を持って交易の拠点である大津(おおつ)まで船で下り、それらを売り、生活物資を買って戻ってくる商売をはじめ、明治13年、音更に定住しました。宇八郎は物腰やわらかく世話好きであり、あくどい商売もしないということで、アイヌの人々から慕われて商売はうまくいきました。その後、牧場経営と農耕に乗り出し、最盛期には馬150頭、牛80頭を飼育していました。馬産改良にも取り組み、十勝に「ヤマニ(宇八郎の屋号)」ありと言わしめた音更の馬産の先駆者でもありました。また、下士幌小学校の敷地1500坪を提供するなど地域のために尽力しました。
■軽米町姉妹締結40周年記念事業の紹介
◇スイーツで紡ぐ音更・軽米連携交流事業
両町の食材を活用したスイーツ(マドレーヌ)づくり◦音更高校・軽米高校交流事業(オンライン授業で町の紹介やマドレーヌづくり。交流ツアーの実施)◦軽米町ふるさと大使で「甘党男子」の神久保翔也(じんくぼしょうや)さんと町民参加型スイーツづくり
◇姉妹町締結40周年記念ラーメン開発・販売
音更産の小麦と軽米町大黒醤油の豆味噌(開町120周年で開発した音更大袖振大豆の味噌)を使用した味噌ラーメンを開発。
◇こども姉妹町視察研修生参加者交流会
過去の視察研修生を対象に、軽米町を訪問し交流。
◇音更・軽米資料館合同展示会
両町のこれまでの歩み、つながりを感じる企画展を開催。
◇姉妹町バレーボール交流研修事業
音更町の小学生チームが軽米町を訪問し、交流試合を開催。
■姉妹締結40周年に寄せて
◇岩手県軽米町 山本賢一町長
音更町と軽米町の深い縁をたどりますと、明治13年に当町出身の大川宇八郎が音更町に最初に入植、定住したことから始まり、これが縁で昭和60年10月31日に末永い友好親善を誓い合い、以来、小学生の相互訪問交流やスポーツ交流、みのり~むフェスタへの訪問などを通じて、お互いの町について理解を深め交流を行ってまいりました。姉妹締結40周年を迎えた本年度は、両町の歴史や文化を紹介する相互資料展、パークゴルフ協会をはじめとする各団体による交流事業、さらには音更町訪問交流ツアーなどの記念事業を実施し、参加した町民は広大な大地に広がる美しい景色と音更町の皆さまの温かいおもてなしに感動した様子で、改めて友好の絆を実感できる機会となりました。また、新たな取り組みとして、町職員や高校生、音更町民を対象に両町の食材を活用したマドレーヌづくりを行い、食の魅力を再発見することが出来ました。この記念すべき年を契機とし、これまで築いてきた友好関係を次の世代に引き継ぎ、両町の絆がさらに深まることを心より願っております。結びに、音更町の限りない繁栄と皆さまのご多幸とご健勝をご祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
◇音更町 小野信次町長
軽米町と本町が姉妹締結をして40年という節目の年を迎えました。両町の深い縁をたどりますと、明治13年に軽米町出身の大川宇八郎翁が遥か海を渡り、未開の地であった本町に入植・定住したことに始まります。現在の音更町は、宇八郎翁をはじめ先人の不屈の精神と不断の努力のうえに築き上げられており、誠に感謝の念に堪えません。また、その縁をたぐり寄せ、結びつけていただいた当時の内澤昭治軽米町長をはじめ、関係者の皆さまのご尽力に心から敬意を表する次第であります。
以来40年、スポーツや文化活動、小学校児童による相互訪問など幅広い分野で交流を続け、現在に至っております。交流を通して長年の友好関係に想いを馳せるとともに、これからの両町の歴史においても、たくさんの友情が育まれ続いていくものと確信しております。
これまで築き上げてきた友好関係を大切に、次の世代へと引き継ぎ、姉妹締結40周年という記念すべき年を契機として、両町が豊かで活力に満ちた地域へと発展し、これからも両町の絆がより深まることを心から祈念いたします。
