- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道鹿追町
- 広報紙名 : 広報しかおい 令和7年4月号
◆令和7年度 町政執行方針
鹿追町長 喜井 知己
町長として町政を任されてから2期目の折り返し地点を迎えようとしています。この間、議員の皆さまのご理解をいただきながら、さまざまな課題に取り組んできました。職員一丸となって蒔いてきた「種」が、今、芽吹き始めていることを大変心強く感じています。
令和6年には、厳しい経営環境にもかかわらず、本町の基幹産業である農業の生産額が過去最高を記録しました。また、「第7期鹿追町総合計画」に基づくエネルギー、観光、教育などの重点プロジェクトも着実に進展しています。
一方で、私たちを取り巻く環境は急速に変化しています。人口減少や少子高齢化、脱炭素社会への対応、災害への備え、行政サービスのデジタル化など、町の特色を活かした施策をさらに進めていく必要があります。
これからも「対話」と「共創」を基本として、町民の皆さまが安心して暮らせるまちづくりを進め、本町の魅力を最大限に活かした町政運営に取り組んでまいります。
◇今年度の町の主要な事業を抜粋してご紹介します
・役場周辺ZEC(※)化改修
令和7年度予算において実施設計業務委託料を計上し、令和8年度・9年度において改修工事に取り組んでいきます。
(※)ZEC(ゼロ・エネルギー・コミュニティ)
複数の施設においてまとめて脱炭素化を図る取り組み。鹿追町では、自前の電線「自営線」を整備し、太陽光発電から役場周辺の9つの公共施設に電気を供給している。
・ストニィプレイン町 姉妹都市提携40周年
カナダ・ストニィプレイン町との姉妹都市提携が今年40周年を迎えます。4月に予定している訪問団の受け入れや、5月に予定している派遣事業などの記念事業を進め、さらなる交流促進を図ります。
・鹿追型ゼロカーボン
昨年町内に設立した地域エネルギー会社「鹿追未来エネルギー株式会社」と連携し、町内全体の脱炭素化を推進していきます。
・東京都台東区との連携協定
令和3年度に更新した連携協定が令和6年度末に終了となることから、新たに4年間の連携協定を締結し、さらなる交流を図ります。
・瓜幕エリア 自営線マイクログリッド整備(※)
脱炭素先行地域事業により自然体験留学センター新築を中心とした瓜幕エリアにおけるマイクログリッド整備にむけた実施設計を行い、瓜幕市街地域が一体となった脱炭素化を進めます。
(※)マイクログリッド
自前の電線を整備し、複数の施設に太陽光などのエネルギーを自家消費する仕組みのこと。停電が起きても一部の施設で電気を使えるメリットなどがある。
・持続可能な農業の確立
町営牧場の作業機械の更新を図ります。また、農業協同組合と連携しながら、引き続きサルモネラ症などの感染予防対策や乳牛の乾物摂取量向上による生産性向上の支援を行い、経営の安定化を目指します。
・環境保全センター事業
更新時期を迎えた設備などの入れ替えを計画的に進めます。また、未整備地区のバイオガスプラントの整備について、建設に向けた基本設計調査を進めるほか、水素燃料の利活用の推進や、LPG・ギ酸生成の実証実験に協力をしていきます。
・こども家庭センターを中心とした子育て支援の充実
医療・教育機関や地域社会との細やかな連携を図り、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもたちの環境の充実に向けて、それぞれの家庭に寄り添った多様なサービスや支援体制の構築に努めます。
・いよいよこの春 鹿追産キャビアの商品化へ
安定的な商品製造と販路拡大やブランドイメージの定着に向けて取り組むとともに、町民の皆さまにもご賞味いただけるよう、数量限定ではありますが町民還元事業にも取り組んでいきます。
・防災行政無線放送設備更新整備事業
昨年度からの継続事業である防災行政無線のデジタル化に向けた放送設備更新事業を今年度の完成に向けて進めていきます。
・農業農村整備事業
今年度から新たに瓜幕地区の農道整備事業を実施します。また、令和5年度より着手している笹川地区国営かんがい排水事業について早期の完了を目指していきます。
・ワクチン接種の助成事業の拡充
今年度から高齢者帯状疱疹ワクチンと小児おたふくかぜワクチン接種料金の助成を開始し、町民皆さまの経済的負担の軽減を図ります。
・道の駅しかおいでのイベントを拡充
商工会および商店会と連携した市街地イベントを開催するとともに、昨年度から交流が始まった羅臼町および福島県国見町との交流事業を継続して行っていきます。
・ジオパーク再認定へ
ジオパーク全国大会が北海道で開催されるとともに、今年度は4年に1度の再認定審査の年となります。さまざまなイベントを通して町民の皆さまや関係機関との連携を深めながら、活動推進に努めます。