- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県青森市
- 広報紙名 : 広報あおもり 令和7年9月号
むつ湾や八甲田連峰といった雄大な自然に囲まれた青森市には、海・山・里の幸がたくさんあるほか、幸を使ったおいしい料理も目白押しです。新しい幸、次世代へ引き継がれる幸…現場からあふれ出る一生懸命な思いを持った皆さんを紹介します。
■“うまい”幸を生み出すひとたち
◆長きにわたり八甲田牛生産にこだわり続けた
・大柳 博さん
▽八甲田牛の良いところ
八甲田牛となる日本短角種(以下「短角牛」)は、毛色が濃赤褐色で、気性は穏やか。体は丈夫で、牧乾草など何でもよく食べるため、育てやすくて本当にめごい。母牛は乳量が多く子育て上手なので、春から秋まで、子牛と一緒に八甲田牧場へ放牧します。その間、自分は米や野菜作りに集中できます。稲わら・もみ殻は牛のエサや敷料に使えるため、良いこと尽くしです。
▽八甲田牛に対する思い
平成3年の牛肉輸入自由化などを背景に、国内では黒毛和種生産へ移行する動きが活発になり、県内も短角牛の飼育頭数が激減しました。自分は八甲田牛を地域の特産として存続させたいという強い思いで、短角牛の生産を続けてきましたが、エサ代高騰など厳しいときもありました。しかし、最近ようやく赤身肉需要の高まりとともに八甲田牛も評価されるようになり、続けてきて良かったと実感しています。
▽八甲田牛の最後の出荷を終えて
令和7年7月に最後の出荷を終え、今は率直に寂しいです。昭和40年から60年間、短角牛の生産を継続してきましたが、良いときもあれば悪いときもあり、紆余曲折、様々なことがありました。自分がここまで続けられたのは、純粋に八甲田牛が好きだからです。
▽次世代へのメッセージ
自分が現役のうちに、八甲田牛生産に取り組みたいという人が出てきて本当に良かったです。畜産業は浮き沈みの波があります。低迷期をぐっとこらえていれば必ず好況期を迎えます。儲けたいという気持ちだけでなく、八甲田牛自体を好きになって続けてほしいです。
◆豪雪に耐え忍んで生まれるおいしいりんご
・下石川りんご青年部
▽下石川りんご青年部とは
青森市浪岡の下石川地区でりんごを作り続けている若手農家で構成。
▽今後の展望
下石川りんご青年部は毎年、ジューシーでおいしいりんごを皆さんに届けるため、日々奮闘しています。今年は昨冬の豪雪の影響で枝折れがひどく、例年に比べ苦労することも多いですが、部員一丸となり経験やアイデアを出し合い、今後も継続可能なりんご生産で、変わらずおいしいりんごを作り続けていきますので、皆さんぜひよろしくお願いします!
◆地域とともに育む浪岡発の新たな挑戦
・AOMORI Farm’s Crew
▽AOMORI Farm’s Crewとは
青森市浪岡の農業従事者などで構成し、地域でイベントを企画運営する任意団体。
▽今後の展望
今後は、米やにんにくなど地元浪岡の一次産業を盛り上げ、首都圏での販路拡大を図るとともに、「NAMIOKA AGRI FES」を地域に根差した文化として育てていきます。そして地域のつながりを大切にしながら、青森の新たな未来を切り拓くことを目指しています。
◆日本一おいしい水が生み出す高品質な“はちみつ”
・三澤 絵莉さん
▽養蜂をはじめたきっかけ
東京で起業後、地元の活性化に貢献したいという思いから、きれいな水が流れる雲谷高原で一から養蜂をスタートしました。
▽ミツバチとの共存
ミツバチに負荷をかけないよう、同じ場所で季節ごとの蜜源を活かす「定置養蜂」で、適切な量の採蜜を心掛けています。
▽今後の展望
思いを共有できる企業とのコラボにも力を入れているので、青森の企業と一緒に新しいことにチャレンジしたいです。
■“うまい”味を伝えるひと
・パティスリーandカフェ チャンドラ 髙原 庸平シェフ
◇食材に対するこだわり
料理は9割方食材で決まるため、自ら産地へ赴き、試食や生産者との会話などを通じて食材を選定しています。
◇あおもり産品のポテンシャル
海と山に囲まれる青森市には、四季折々の食材や八甲田牛のような希少な食材など、おいしく魅力ある食材が豊富にあります。
◇シェフの思い
地元の“うまい”食材を生かした料理提供や食育活動などを通じて「感動」を伝え、青森を豊かにし、次世代へと繋いでいきたい。
問合せ:
あおもり産品支援課【電話】0172-26-6102
農業振興センター【電話】017-754-3596