くらし 〔特集1〕自然災害への備え 突然の災害に普段から備えていますか?(1)

日本各地で台風や集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れ、地震などの自然災害が頻発しています。県内でも、東日本大震災津波や平成28年台風第10号、令和元年台風第19号などによって大きな被害が発生しました。近年は地球温暖化の影響による気候変動で、局地的な大雨も増えています。
地震や豪雨などによる自然災害はいつどこで起きるか分かりません。しかし、日頃から防災意識を高めることで、被害を減らすことができます。自分自身や家族、地域の人たちを守るため、普段から備えておくべきこと、災害発生時の行動を確認しましょう。

写真があります。
令和元年台風第19号 久慈市小屋畑(こやはた)川
たくさんの流木が積み重なっている被災状況です。倒れた電信柱や傾いた電信柱があります。奥にある電信柱に上って作業をしている作業員がいます。流木のそばにはそれを見守る作業員がいます。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。

・大雨の発生回数
グラフがあります。
岩手県内で1時間降水量50ミリメートル以上が発生した回数(国土交通省統計)
岩手県内に設置された38カ所のアメダス(雨量観測所)を対象に集計
1980年代…13回
1990年代…12回
2000年代…16回
2010年代…41回
1時間あたり50ミリメートル以上の大雨が観測された地点の年間発生回数は、1980年代と比較すると約3.2倍に増加していることが分かります。
※グラフは本紙またはPDF版をご覧ください。

写真があります。
令和4年8月降雨 一戸町馬淵(まべち)川
人の太もものあたりまで水没した道路を白い上着を着た警察官らしきふたりが歩いています。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。

■地域で取り組む防災活動
災害時に大きな力を発揮するのが、地域や身近にいる人同士が助け合う「共助」の力。地域のことを知り、防災・減災活動に取り組むことが重要です。

写真があります。
平成28年台風第10号 岩泉町小本(おもと)川
白い建物のそばに窓ガラス近くまで泥水に浸かった2台の白い車があります。車の後ろにはたくさんの流木や瓦礫が積みあがっています。

○インタビュー 地域が一体となって助け合う
岩泉町防災士連絡協議会会長、NPO法人クチェカ事務局長兼理事
鈴木悠太(すずきゆうた)さん

岩泉町は東日本大震災津波、平成28年台風第10号災害と、大きな災害を経験してきました。その時の教訓から、岩泉町では防災士の育成に取り組み、平時から防災士や地域に向けての防災関連情報の発信や研修を行うなど、災害時に生かせるようにしています。また、地元の学校では積極的に防災学習を実施し、生徒たち自らが自分や地域のためにできることを考えています。災害時、ライフラインが寸断された時などは、地域が主体となり、スピード感を持って動く必要があります。そのためにも、普段から地域一体となって防災意識を高めていきましょう。

写真が2枚あります。
1枚目:グレーのシャツを着て手ぶりを交えて笑顔で話す鈴木さんです。
2枚目:岩泉高校での講義の様子
マイクを持った講師がスクリーンの内容を説明しています。スクリーンを見る生徒やメモを取る生徒がいます。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。

○岩泉高校の防災学習 次世代に伝える防災教室
県立岩泉高等学校では、総合的な探究の時間として「KIZUKIプロジェクト」に取り組んでいます。その中でも防災班は、いわて復興教育推進事業の一環として岩泉町内の小学校へ行き、自らが教師として授業を行う「ジオラマ防災教室」を実施しました。2024年は岩泉町立岩泉小学校を訪問。地図をもとにジオラマを作成し、自分たちが住んでいる地域を立体的に見ながら、どの場所にどんな危険が潜んでいるのかを確認したり、避難経路を考えたりする授業を行いました。小学生は積極的に授業に参加し、地域の防災・減災について考える良い機会になりました。

写真が2枚あります。
1枚目:ジオラマを作成しながら地形による危険箇所を学習します
等高線が細かく描かれたジオラマです。緑、青、ピンクの彩色があります。
2枚目:岩泉小学校で実施したジオラマ防災教室の様子
ジオラマ防災教室と映しだされたスクリーンの両脇に高校生たちが立ち、説明をしている様子です。
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。