- 発行日 :
- 自治体名 : 岩手県一関市
- 広報紙名 : 広報いちのせき「i-Style」 令和7年10月号
木を使う。それは、暮らしにも地球にも優しい選択です。
地域で育てた木材を活用する地産地消の取り組みは、経済循環を生み出し、地域の林業や木材産業を活性化させます。さらには、この地域に豊富にある森林を育て、地球温暖化防止にもつながるなど、環境、経済・社会、暮らしの面でさまざまな効果をもたらします。
10月は木材利用促進月間。そこで今回は市産材の活用による効果や活用事例を、環境、経済・社会、暮らしの面からみていきます。
■環境への貢献
木材を家や家具に利用することは、木材の中に炭素を長期間にわたって貯蔵する(炭素固定といいます)ことになり、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制する効果があります。
また、市産材を利用すると、ガソリンの消費など、木材の輸送に必要なエネルギーとそれに伴う二酸化炭素排出量を削減できます。
さらに、市産材の需要が増えると、計画的な伐採と植林が行われ、適切な森林管理につながります。そして、手入れが行き届いた森林は、健全な成長が促され、土砂災害防止といった多面的な機能を発揮します。これにより、豊かな自然環境が守られ、災害に強い国土づくりにも貢献します。
■経済・社会への貢献
市産材を利用すると、林業、製材業、建設業など、地域の関連産業が活性化します。また、新たな雇用の創出や地域内での経済循環が生まれ、地域全体が豊かになります。
■人々の暮らしへのメリット
木材には湿度を調整する機能があるほか、温かい触り心地や香りにはリラックス効果があり、五感に心地よい暮らしをもたらしてくれます。木造の家は、心も体も快適で健康的になれる効果があります。
また、地域で育てた木材は、その地域の気候や風土に適応しているため、地元で家を建てるときの素材としてとても優れています。
■一関市は地域産材の利用を推進しています
▽一関市木材利用促進事業費補助金
一関市産の木材を利用した住宅などの新築または増改築をした場合に、施工業者に対して、補助金を交付しています。
対象者:市内に本店または営業所があり、木造住宅などの新築または増改築を行う法人または個人事業主
補助金額:市産材の使用量1立方メートル(小数点以下切り捨て)に対し25,000円を乗じた額(上限額50万円)
交付対象住宅など:次の(1)(2)に該当する住宅など
(1)木造住宅などにおける新築または増改築の工事が、申請日時点において着手しておらず、かつ、同一年度内に完了する
(2)過去にこの補助金を使っていない
実施期間:令和8年3月31日(火)まで
*予算に達した場合は受付を終了することがあります
▽補助金利用者に聞きました!
市産材を積極的に利用している玉澤建設(藤沢)
玉澤豊栄(ほうえい) 代表取締役(64)
市内には豊富な森林資源があり、スギ、マツといった良質な木材が多いので、地元の林業振興のためにという思いから市産材を使うようにしています。木の密度が高いため、年輪の細かさや年数を経てもきれいなところが喜ばれています。あらゆるものの価格が高くなっている中、市の補助金は利用しやすいので助かっています。家を建てるというのは大きな買い物です。マイホームを考えている人に気に入ってもらえるよう、こちらも真剣に向き合っています。地元の木材を使い、地元の職人によって家を建てることで、地域でお金が回っていけばいいですね。
※詳しくは本紙をご覧ください。
問合せ:本庁林政推進課
【電話】21-8195