くらし 立教大学陸前高田サテライト通信

■岩手大学・立教大学合同授業を実施しました
立教大学陸前高田サテライト長 松山 真(まつやままこと)

岩手大学と立教大学の合同授業を、8月25日(月)から29日(金)までの4泊5日で実施しました。お互いの大学で正規の単位が取得できる合同授業として、初めての実施になります。
その内容は、住民ニーズを把握するために学生たちが地域に入り込み、住民の皆さんと交流する中から生活状況を伺い、ニーズを把握し、学生として、または大学として何ができるかを考えるというもの。市社会福祉協議会の全面協力のもと、両大学の学生19人が参加し、4つのグループに分かれ、それぞれに教員が付いて一緒に地区に入り込むという方法です。8月末にも関わらず暑い日が続きましたが、それでも夕方になると涼しい風が吹き、クーラーの要らない生活を実感することができました。
小友地区コミュニティ推進協議会のご協力をいただき、小友町内の4つの地区において、その地区での学び、地区の皆さんとの交流、地区を歩いてのニーズ把握、それぞれのお宅や自治会館での実際の生活の様子を踏まえた話し合いなど、5日間の中で多くの時間を過ごして学びを深めました。

畑仕事の手を止めて急に来た学生の質問に答えてくださる方、自宅に招き入れて話をしてくださる方など、多くの皆さんが学生との交流を楽しみながら生活状況について語ってくださいました。
都会では考えられないような人間関係が密な生活、生活の中に自然に溶け込み習慣にもなっている「オシラサマ」「神様あそばせ」「八日行(ようかぎょう)」など興味深いお話も多く、数時間があっと言う間に過ぎていきました。
最終日にはお世話になった小友町の皆さんや市社会福祉協議会の皆さんをお招きして、各班20分ずつの発表を行いました。単にヒアリング内容や観察したことの報告に留まらず、自分たちにできることはないかを考え、具体的な行動を提案する場となりました。

まったくのよそ者である学生たちがまちを訪れ、住民の皆さんとお祭りや行事、日常生活の中で交流することが、実は住民の皆さん同士が語り合う機会を創出するのかもしれません。住民が減少したり、他地区からの転入者が増え繋がりが薄れている地区に、少しではあっても繋がりを生み出すことができるのではないかと気付きました。今後、陸前高田を訪れる機会を設けて新しい出会いを継続したいという思いも発表してくれました。
立教大学・陸前高田サテライトでは、学生が陸前高田に通い続けられるように、交通費と宿泊費の補助を行っています。この補助を得て、学生たちが引き続き陸前高田を訪ねるよう働きかけていきたいと思います。
学生をまちなかで見かけましたら、ぜひお声がけください。

問い合わせ先:立教大学陸前高田サテライト事務局
【電話】03-3985-4967